1865年3月に開業したHSBCが150周年を記念して発行した150香港ドル札。
実際には150香港ドル以上の価値がある。
紙幣の価値は誰が決める?
香港には日本銀行のような中央銀行は存在しない。
香港金融管理局が通貨当局として存在するが、発券業務は香港上海銀行(HSBC)、スタンダード・チャータード銀行、中国銀行が行っている。
HSBCが設立150周年を迎え、記念紙幣として150香港ドルを発行したのだが、これが既に150香港ドル以上の価値がある。
昨年末に売り出された東京駅100周年を記念したsuicaもそうだが、販売枚数が決まっていながら希望者が多ければ、その価値は上がる。
東京駅で暴動が起こるほど価値があったはずだが、このsuicaの場合は希望者全員に販売することとなったために、実際にはそれほどプレミアムは付かないかもしれない。
また、紙幣の場合は印刷ミスなどがあったり、現在は発行されておらず残存枚数の少ないと額面以上の価値で古物商を中心に売買されている。
全ては需要と供給の問題と言えよう。
欲しいと思う人が多ければ高くなり、モノが溢れていて簡単に手が入れば安くなる。
紙幣でも同じことだ。
HSBChk(HSBC香港)が発行した150香港ドル、希望者が殺到するとわかっていたのか抽選となっていた。
その販売価格は以下の通り。
1枚 | 380香港ドル |
3枚1セット | 1,380香港ドル |
35枚1セット | 23,880香港ドル |
この記念紙幣は150香港ドルなので、額面は1枚150HKD、3枚で1,050HKD、35枚で5,250HKD。
35枚では4.5倍以上の価値を付けて販売していることとなる。
実際に数十倍以上の当選確率となっており、それだけの価値があるということが言える。
紙幣は額面通りにしか使えないと思いがちだが、その価値は対価が決めるものである。
この150香港ドルを、お店で普通に150香港ドルの買い物で利用しないだろうし、抽選に外れた人が交換を求めてきたら、購入金額以上の数字での交換となるに違いない。
為替で考えると分かりやすいかもしれないが、紙幣に書かれた価値も対価があって決まるものだ。
紙幣の製造原価は数円しかないが、1万円札を1万円と思っているのは、大衆感覚から、モノの対価のバランスとして決まっているに過ぎない。
要は需要とバランスが色々なところで量られていて価値が決まる。
大量に発行されている日本銀行券、溢れすぎるとその価値は下がっていく一方だ。
1万札を今の1万円の価値と同等に使えるのはいつまでだろうか?
コメント