クレジットカードや電子マネーが一般化し、更には仮想通貨が今後普及していく事が予想され、キャッシュレス化がどんどん進んでいくと思われる。
そんな中、入出国時に100万円相当以上分の持ち出し・持ち込みを申請する税関手続きは意味があるのだろうか?と、ふと思ってしまった。
キャッシュレスでマネーフライトが加速する!?
最近はあまり聞かれなくなったが、数年前までは海外に資産を移動させたい時に”ハンドキャリー”で現金を持っていく方法が主流であった。
ハンドキャリーとは飛行機の搭乗時にバックに数百万円、数千万円の現金を忍ばせる方法である。
荷物検査で見つかるのでは?と思うかもしれないが、あの検査は危険物をチェックするのが目的であり、紙である札束は危険性は全くないので荷物検査をパスできる。
税関で100万円以上の持ち出しの申告義務があるが、あくまで自主申告制なので無視して海外に持っていく人が多かった。
そして、海外の銀行の窓口で預け入れをして、資産を海外に移転させていた。
こうしたマネーフライトが最近聞かれなくなったのは、海外の銀行窓口で出所不明な現金の預け入れを断るようになったからだ。
また、例えば香港であれば2018年7月から12万香港ドル(本日レートで約172万円)を超える持ち込みは、香港の税関で申告する義務が生じた事も理由として上げられる。
これらはマネーロンダリング対策である。
日本に入出国する際に100万円相当以上の現金・資産を持っていたら申告するのもマネーロンダリング対策と言われているが、日本の税関は昔と変わらずのんびりしている感があるものの、海外の規制によって、マネーロンダリング対策が自然と成り立つようになっているかもしれない。
日本に入国する際はどうなのだろうか?
実はこうした事を書く理由になったのは、東京オリンピックなどがあり海外からの渡航客が増えるのに対して100万円までしか持ち込めなかったら買い物もできずに景気対策的にもったいないのではないか?と発言している人がいたからだ。
100万円以上を持ち込んだことを申請して買い物すれば何ら問題ない話なのだが、そもそも、日本に旅行に来る人はクレジットカードを基本的に利用するのではないだろうか?
わざわざ借金大国の日本にマネーフライトさせる人などいない。
出国で考えても入国で考えても100万円以上の申告制度は何の意味も為さないのではないか?と感じてしまった訳である。
将来、仮想通貨が普及したらもっと意味をなさないようになってしまうはずだ。
オフショア投資を契約している人の多くはクレジットカードで支払いを行っていると思う。
日本にいながら合法的に資産を海外に移せるこのスキーム、過去・現在・未来、どのタイミングで見ても優れた方法だなと改めて感じる。
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