「オフショア投資」という言葉が一般化されてから10年以上が経つと思う。
「オフショア投資」と同じように使われる言葉として「タックスヘイブン」もある。
改めてこの言葉の相違について考えてみたい。
オフショアの対義語にはオンショアがある?
オフショアのショアはshoreであり、海岸を意味する。
海に基づいて使われる言葉としては、沖釣りのことを指すオフショアが上げられる。
海外から離れるのでショアにオフを付けて呼ばれているのだろう。
対して岸辺からの釣りのことをオンショアというかと言えばそうではなく、単にショアと言う。
サーフィンでは陸から海に向かって吹く風をオフショアと呼んでいる。
その逆で海から陸に吹く風のことをオンショアと呼んでいる。
サーファーにとってベストな風はオフショア。
ビジネスで使われるオフショアはサーフィンの言葉の使い方と似ているだろう。
日本から海外を利用することをオフショアと呼んでいる。
オフショア金融やオフショア投資も、日本から見て香港などの金融立国(海外)を利用することを指す言葉であるが、金融や資産運用だけでなく、ITビジネスでも人件費の安い国や地域を利用することを「オフショア開発」と呼んでいる。
逆にオンショア投資やオンショア開発と聞くことはないが、それは日本に対するニーズがないからだろう。
観光業では訪日観光客を増加させることに重きを置いていて、「インバウンド施策」と呼んでいるが、「アウトバウンド」という言葉を聞くことはあまりない。
「オフショア」の対義語が「インバウンド」?
言葉的にはどうもアンバランスな感じがする。
オフショア投資とタックスヘイブンは同義語か?
オフショア投資を考えている人は、タックスヘイブンという言葉も聞いたことがあると思う。
タックスヘイブンは tax haven(避難所、安息所)であり、租税回避地である。
heaven(天国)ではない。
タックスヘイブンは所得税や法人税が無税だったり著しく低い国や地域を指すが、厳密に何%以下と言う基準はない。
概ね20%以下以下の国や地域をタックスヘイブンと呼んでいると思う。
税金が安い地域は世界中から多くのお金が集まり、結果として金融立国となりやすく、そのルールも厳格化されている場所が多い。
よって、タックスヘイブンの国や地域には、日本のような税金の高い国からオフショアとしてお金がやってくるので、類義語として扱われているのである。
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