新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、2020年2月末から休校としている学校が多い。
再開時期の目途が立たないが、夏休みを返上して授業を行い、遅れを取り戻すという自治体の話があると共に、世界標準に合わせて9月スタート(秋入学)に変更したらどうか?という声が多く聞かれるようになってきた。
日本の学校年度が4月スタートになっている理由とは?
アメリカなど、多くの国の学校年度は9月スタートとなっているのはよく聞く話。
では、なぜ日本は4月入学なんだろうか?と気になったので調べてみた。
日本の学び舎として、江戸時代の寺子屋が有名だが、当時は入学・進級・卒業年が決まっていた訳ではないそうだ。
明治5年(1872年)に近代的な学校制度を導入する為に「学制」が公布されたが、この時は欧州を参考にして9月スタートとなっていたとの事。
ところが、明治19年(1886年)に国の会計年度が4月~3月と決まったことを受け、学校もそれに合わせる形で4月スタートとなったようだ。
つまりは、勉学の視点は全く関係なく、国の会計年度に学校の年度を合わせた流れ。
日本人の1年の流れとして、正月スタートと共に4月スタートが刻まれているのはこうした背景があるようだ。
世界の学校年度・入学月はどうなってるの?
日本の学校年度は4月スタートするのに対し、欧米は9月スタートのイメージが強い。
実際にはどうなっているのだろうか?
入学月 | 国・地域 |
1月 | シンガポール、マレーシア、フィジー、バングラデシュ、南アフリカ |
2月 | オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル |
3月 | 韓国、アフガニスタン、アルゼンチン、ペルー、チリ |
4月 | 日本、インド、パキスタン、パナマ |
5月 | タイ |
6月 | フィリピン、ミャンマー |
7月 | |
8月 | スイス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、台湾、ヨルダン |
9月 | アメリカ、イギリス、アイルランド、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、オランダ、ベルギー、ギリシア、ロシア、カナダ、メキシコ、キューバ、中国、モンゴル、インドネシア、ベトナム、イラン、トルコ、サウジアラビア、エチオピア |
10月 | エジプト、カンボジア、ナイジェリア |
11月 | |
12月 |
調べてみた限りでは、やはり9月の秋入学が多いが、他国で4月もあったりと意外とバラバラ。
四半期という概念もあり、1,4,7,9月スタート以外は何となく気持ち悪さを感じてしまうのは私だけだろうか?
気候が逆になる南半球で1~3月入学の国が多いが、やはり秋スタートとなる(1月・2月は夏であるが。)。
欧米が秋スタートにしているのも理由があるようで、農業が関係しているらしい。
その昔、子供は農業に駆り出されていたが、7~8月は農作業が忙しく、農作業が落ち着いた9月頃から学校生活をスタートさせていたという流れがあるそうだ。
日本は桜が咲く季節が出会いと別れの季節になっているが、海外では汗をかきながら出会いと別れを感じているのだろう。
日本の学校年度を9月にする事により、制度を変えなくてはならない事は多々あると思う。
だが、学力の面だけでなく、多くの大会が中止になって被害を被っているこの世代、半年遅らせる事により、そうした大会に参加できるようになればいいなと思う。
⇒ご質問等はこちらから。
コメント