日本では御嶽山噴火のニュースなどがあり、それほど大きく報じられていない香港の現状。
世界ではトップニュースになっている国も多い。
日本では、単に「香港民主化デモ」と見出しを付けている部分もあり、少し引っ掛かる部分がある。
1国2制度で民主主義を貫く香港
1997年にイギリス領から中国に返還された香港。
今では欧州らしい町並みと、古き中国の街並みが混在した地域となっている。
中国に返還された後も、イギリス植民地時代の政治・経済のルールを踏襲する1国2制度を50年間継続することが約束されていた。
これは50年後に共産主義になるという意味ではなく、50年間はとりあえずこのままという意味である。
中国と香港を行き来するにはパスポートが必要で、香港は特別行政区政府と位置づけられている。
スポーツの国際大会でも独立した地域として出場している。
今回のデモ、日本では「民主化デモ」と報じているところがあり、その表現は少々気になる。
香港は民主主義の色合いが濃い場所だ。
香港に行けば、少なくとも日本より民主主義、資本主義を強く感じる。
今、香港の若者たちが訴えているのは、普通選挙の実施に対して。
中国寄り(共産主義)の人間しか立候補できない選挙への抗議なのだ。
香港は中国ですよね?とか香港は共産主義ですよね?といった質問を度々受ける。
今行われているのは、一部選挙などへの民主化はあるが、どちらかと言えば「民主主義継続運動」や「共産主義否認運動」といった方がスッキリする。
自分たちが生まれ育った街を共産主義にしたくはないのだろう。
今回の報道を見て、香港はやっぱり中国か、やっぱり共産主義か、と日本人が思わなければいいが・・・と不安を感じる。
皮肉にも明日10月1日は中華人民共和国の建国記念日である国慶節で祝日。
明日、来年、数年後、数十年ごと、香港がどのような形で国慶節を迎えるのか注目である。
コメント