「お金の向こう研究所」なるところの代表を務める田内学氏の著作「きみのお金は誰のため」という本を読んでみた。
読者が選ぶビジネス書グランプリで2024年第1位になったという事もあり、気になってしまったのだ。
大人向けには少々中途半端な内容だが、子供向けには良さそうで、小説として最後の流れは面白かった!
本の表紙や帯を見るだけでもそそられる言葉が並んでいる。
◆ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」
◆老後資金・物価高・貿易赤字・格差・・・
◆大人も子どもも知っておきたいお金の教養小説
6章+エピローグで合計7つの章から構成されている。
前半の3章でお金の謎を解き、後半の3章でそれらを少し深堀りしている印象である。
もちろん、書評・レビューなので具体的な内容は明かせないのだが、著者の田内学さんが「お金の向こう研究所」という組織の代表をしているからなのか、目の前に見えているお金そのものに目をむけるのではなく、お金の向こう側で誰がどのように動いているのかを考えさせてくれるような内容になっている。
そうした意味で、お子さん向けの著書なのかなと感じる。
ただし、ボヤっとしていたり曖昧な感じがして、何度か読まないとイメージし辛いかなと感じる部分も多い。
帯に老後資金・物価高・貿易赤字・格差・・・とあるが、こうした点については、暗に日本政府に対して言いたい事があるのではないか?と思わせるような印象を受ける。
そうした点では大人向けなのかなと思うが、内容としてはお子さんでも理解できるし、将来を担うお子さんに考えてもらいたい部分でもあるなと感じた。
MMT(現代貨幣理論)についても何となく触れているが、これに関してもMMTや現代貨幣理論といった言葉は使われていない。
これらの単語を深堀りさせたいという訳ではなく、こうした事例からお金や社会について考えてもらいたいと言う思いがあるのかなと感じた。
私として心に刺さったのは、日本は若者に負担を押し付けたり、格差が広がったりしているが、それ自体も見方を変えるとそうではないという部分である。
お金の向こう研究所としては、お金に限らず、向こう側まで見て物事を考えてもらいたいと言う信念があるのかなと感じた。
とは言え、著者はゴールドマン・サックスで金融トレーダーの職に就いていたようなので、目の前のお金の動きにも詳しいはずだ。
そうした業務を経験したからこそ、お金の本質や向こう側について知ってもらいたいと言う気持ちがあるのだろう。
この本は帯に書かれている通り、お金の教養小説となっている。
小説なので読み進めやすい。
(深く理解しようとすると、逆に進まなくなるのだが…)
最後のエピローグまで読むと、小説としての面白さを感じる事ができる。
金融について深く学ぼうとしている方にはお勧めと言えないが、お子さんや気楽に小説を読みながら金融を学びたいと言う方に推奨できる一冊となっている。
247ページと量も多くはないので、電車や飛行機などの移動中に読むのが良いのかなと思う。
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