杉山智一氏が書いた「プライベートバンカー驚異の資産運用砲」を読んでみた。
と言うのも、この本を読んだ方からの質問が度々やってくるのである。
プライベートバンカーの手法、富裕層は検討すべきで一般の方も海外の金融商品は活用できる!
【プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 (講談社現代新書) https://amzn.to/3vTpXKJ @amazonより】
この本では1億円以上の資産がある富裕層を対象にしたスキームが描かれている。
プライベートバンクに口座を開設し、生命保険をレバレッジを利かせて契約する方法である。
プライベートバンクに入金したお金と生命保険を担保に融資を受ける事によって、保険料を割安に生命保険に加入できるのだ。
もちろん、融資の分の金利が発生するが、その金利分をプライベートバンクの運用により相殺すると言うスキームとなっている。
香港やシンガポールでは良く知られているスキームだが、仮に10億円の生命保険に加入するのに必要な保険料が一括払いで3億円だったとする。
(そもそも、日本の保険会社は1社で7億円までの死亡保障までしか付けれない。
10億円の死亡保障の生命保険を3億円の保険料で賄えるのは安いと言える。)
この時、3億円を保険会社に払うのではなく、プライベートバンクに2億円を預け入れる事で3億円の融資を受け、この保険に加入できる。
2億円の預け入れだけで何故3億円の融資を受けられるかと言うと、2億円+10億円の生命保険の担保(解約返戻金)で3億円以上の価値があるからだ。
もちろん、融資=貸し付けてもらうには金利が発生する。
これは、プライベートバンクが預け入れてもらった2億円でその金利を相殺するだけの運用をしてもらえるというのもポイントになってくる。
3億円の金利が2.5%とすれば年間750万円の利息となるが、2億円で3.75%以上の運用が行えれば相殺できる。
(実際には管理手数料なども必要となる。)
本の帯に書かれている『元金5000万円で毎年500万円のリターン』はこの部分の運用を指すが、利回りは10%となる。
本文で、最近はここまでの利回りは出ないと書かれているが、プライベートバンクであれば4%以上の運用は安定的に行えるので、利息分をしっかりと相殺してくれる。
この手法、保険会社には自分のお金を直接的に1円も払っていないので、保険にただ乗りできるようなものである。
香港やシンガポールでは良く知られているスキームと書いたが、保険会社やプライベートバンクとの繋がりが深いIFA(Independent Financial Adviser)でないと構築できない方法だ。
もちろん、私はそうしたIFAを知っている。
こうしたスキーム、資産が数億円ないと受け付けてくれない。
資産家で相続対策に頭を悩ませている人などは検討すべきスキームだと思う。
資産家ではないと言う方も、香港やシンガポール金融を一部活用する事はできる。
根本的にこうしたスキームが構築できるのは、生命保険の利回りが良く、安く保険に加入できる事がポイントになっている。
日本の生命保険は利回り1%にも満たないが、香港で提供されている生命保険や年金プランは4%程度で運用されており、それが複利効果によって、数年・数十年後には大きな差になっていく。
(2022年の世界的な金利上昇により、利回り6~7%へと向上している!
利回り6%で計算すると、12年で資産が2倍、24年で4倍、36年で8倍になるイメージだ。)
レバレッジを掛けずにこうした商品の契約をするだけなら、富裕層でなくても可能となっている。
貯蓄型生命保険などを比較すると、日本とは大きな違いがある事が分かる。

年齢・性別・喫煙状況、そして設定する死亡保障額によって支払保険料は変わってくるが、総額5万USD以上(1万USD×5年、5千USD×10年etc)が支払えるのであれば、受け付けてくれるIFAが多いだろう。
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