Googleで人民元のレートを調べようとすると「中国人民元」と「オフショア人民元」が出てくる。
この2つの違いはどこにあるのだろうか?
オフショア人民元とは中国外でも取引可能な人民元の事を指す!
オフショア人民元のWikipediaのページはないようだが、人民元のWikipediaの中にオフショア人民元に関する記載が少しあった。
人民元建ての貿易決済は認められていなかったが、2009年7月、中国人民銀行など政府関連6機関が公布した『跨境貿易人民幣結算試点管理弁法』に基づいて、香港、マカオやASEAN諸国などの一部の国の企業と許可を受けた中国企業間における人民元建て貿易決済が試験的に開始された。
その後の段階的な規制緩和により、一般的に香港、シンガポール等など中国本土外で取引できるオフショア人民元(CNH)が成立した。中国人民銀行が毎日定時に為替レートを公表しているオンショア人民元(CNY)に対して、オフショア人民元は為替変動制限が緩和されているなど、規制当局や市場参加者また流通範囲などの違いもあり、一般的に同一通貨ではあるが取引規制や市場などが異なることからCNHと表記されている。
元々、中国人民元は中国本土内でしか決済が行えなかった。
しかし、2009年7月のクロスボーダー人民元決済が解禁され、中国本土外でも人民元の取引が開始された。
この中国本土外で取引される人民元がオフショア人民元と呼ばれていて、香港市場を中心に取引がされている。
勝手に中国外で行っている取引ではなく、中国政府が認めている取引である。
一方、中国本土内で取引される人民元をオンショア人民元と呼ぶ人もいるようだ。
決済される場所の違いだけなのでオンショア人民元とオフショア人民元のレート差が大きく出る事はない。
日本居住の日本人が日本で取引するとすればオフショア人民元となる。
HSBCの口座内にも人民元があるが、これもオフショア人民元となるはずだ。
古くからHSBC香港の口座を持っている人で、昔は人民元の口座が無かったと覚えている人もいるだろう。
オンショア人民元の通貨コードがCNY、RMBと表記されるのに対し、オフショア人民元はCNHと表記される。
HはHong KongのHだろうか?
オフショアと名が付くのでオフショア投資に興味がある人は気になる単語かもしれないが、あくまで中国から見てオフショア(岸の外側=海外)と言うだけの意味である。
稀にオフショア=租税回避地と思っている人がいるが、租税回避地として使われる言葉はタックス・ヘイブン(Tax Haven)である。
もっと言えば、タックス・ヘイブンはタックス・ヘブン(Tax Heaven)ではない。
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