オフショア投資商品・保険商品を購入する際にはIFA(Independent Financial Advisor)=正規代理店と契約をすることとなる。
「どのIFAが良いですか?」との質問をよく受けるので、IFAの選択基準についてまとめてみたい。
IFAの選択基準で「運用成績」の優先順位は高くない!
オフショア投資を行いたいと考え、どこのIFAにするかで先ず運用成績を気にする人がいる。
(生命保険や年金プランはIFAが運用をする事はないが、RL360°のRegular Savings PlanやInvestors TrustのEvolutionなどファンドを選択して運用する商品の場合、IFAに運用を一任する事ができる。)
「先ず」というか、そればかりを気にする人がいる。
気持ちは分からないでもないが、運用成績のプライオリティ(優先順位)はそれほど高くない。
運用成績はあくまで過去の結果に過ぎず、将来の運用成績など誰にも予想はできない。
(これはオフショア投資に限らず、よく聞くフレーズだと思う。)
そして、実際に各社の運用成績を見さしてもらうと、それほど大きな差が出ている訳でもない。
一つ言えることは、人口減少&社会保障費増加により経済が縮小するであろう日本に対して、人口増加でお金の回りが良くなるであろう世界(地域)を利用すること、この格差を利用できるのは日本人のメリットであり、長い目で見ればどこのIFAでも利回りを期待することができる。
そして、日本ではなくオフショア地域で投資を行うことは、リスクが高く今後も益々そのリスクが増加するであろう日本から資産を分散させること、そして資産を保全することに先ずは大きな意義があるのだ。
オフショア投資IFA=正規代理店の選択基準①取扱い商品のグローバル性
IFAの選択については、運用成績以外に重要なことがある。
一つ目としてお伝えしたいのは、取扱い商品の豊富なIFAを選択すべきだ。
日本人が契約可能なオフショア投資商品・保険商品は年々減少しているのだが、契約したいIFAにどれだけの取扱商品があるか?
香港のIFAであれば香港籍をメインに扱うのだろうが、それけでなく、グローバルに商品を扱っているIFAは経営への影響は小さい。
考えたくはないが、香港の保険当局や金融庁が日本居住の日本人の受け入れを仮に禁止すると発表したら、香港籍の商品しか扱っていないIFAは経営に打撃を受けてしまう。
経営の影響はクライアント(顧客)へのサポートに影響する可能性もあることを考えれば、グルーバルに商品を扱っているIFAを選択する方が賢明だ。
経営の安定化はクライアントへのサポート力に関連するし、クライアントしても香港籍だけでなく多くの国の商品を取り扱っているIFAであれば選択の幅が広がるので、自分自身に合致した商品を案内してもらいやすくなる。
オフショア投資IFA=正規代理店の選択基準②マーケットのグローバル性
IFAを選択するときに、日本人を受け入れているIFA・・・という話が出る。
英語が話せない、読めないとなれば、サポート面を考えて日本語ができる、日本人スタッフがいるIFAを選択する必要がある。
しかし、これだけでは必要十分ではない。
グルーバルにマーケット(顧客=クライアント)を持っているIFAでなければならない。
アビバ(Aviva)、チューリッヒ(Zurich)、フレンズプロビデント(Friends Provident)、そしてハンサード(Hansard)と日本市場からの新規顧客の受け入れを停止する保険会社が増えている。
現在、日本人が契約できるオフショア金融商品を提供しているプロバイダー(保険会社)も日本市場から撤退していく可能性もある。
それだけ日本人は世界から相手にされていないという証だが、オフショア投資商品・保険商品を知った日本人は金融で生き残れる術を知った人と言えるので、契約できるうちに契約しておくべきである。
仮にほとんどのオフショア籍の保険会社が日本市場から撤退してしまったら、日本市場を中心に活動しているIFAは新規受け入れが出来なくなり、経営が危うくなっていく危険性がある。
多くの国のマーケット(顧客)を持っている方が経営は安定化するのだ。
「①取り扱い商品のグローバル性」でも書いた通り、経営が安定しなければクライアントへのサポートに影響が出る可能性もあるので、商品だけでなくグローバルに展開して多くの国でクライアントを抱えているIFAを選択することが賢明だ。
多くの保険会社と繋がっていたり、多くの国にクライアントがいれば、それだけIFAの知識力があると認識できる。
オフショア投資IFA=正規代理店の選択基準③業法把握と業務責任
オフショア投資は海外の金融商品・保険商品なので、日本だけでなく金融商品やIFAが登録されている国や地域の法律も関わってくる。
金融商品・保険商品やIFAの登録国(地域)と日本、両方のリーガルマインドを持ったIFAと契約しなければならない。
例えば、香港籍の保険商品を契約するのであれば、香港の保険業を管理監督する「香港保険業監管局(Hong Kong Insurance Authority)」に登録されているIFAから直接購入しなければならない。
金融商品の場合は「金融庁(Securities & Futures Commission of Hong Kong、通称SFC)」となる。
☆香港保険業監管局HP ⇒ Hong Kong Insurance Authority
☆金融庁HP ⇒ Securities & Futures Commission of Hong Kong
広東語や英語でのサイトになっているが、登録確認状況が分からなければ、IFAと思われる会社に問い合わせてみれば良い。
登録番号などを教えてもらえるはずだ。
IFAのように装っている会社もあるので要注意。
そうした会社は登録が不要と言葉巧みに説明してくると思うが、普通に考えれば登録が必要か不要かは簡単判断できるはずだ。
もちろん、日本側の法律にも詳しいIFAでなければならない。
日本の金融庁に認可されていない金融商品の勧誘・営業はできないと金融商品取引法で定められている。
その為、日本国内でオフショア金融商品の話を聞くことが少ないのだ。
(日本人が自ら調査してオフショア金融商品を知り、直接海外にあるIFAに連絡して契約することは何の問題もない)
例えばホームページも、日本語だけで構成されている場合には日本人に対して直接勧誘・営業していると当局は判断するかもしれない。
こうした法律に基づき、IFAとしての業務責任をきちんと全うしているかどうかがポイントとなる。
IFAは保険会社や金融商品のプロバイダーとクライアントの間に入る代理店の立場なので、商品説明や契約のアフターサポートを行う役回りとなっている。
アフターサポートについては、商品の特性上10年以上の長期契約になるので、それだけの年月をサポートしてもらえるIFAを選ばなくてはならない。
2010年頃に多くの人が契約したフレンズプロビデント(Friends Provident)という保険会社がある。
優れた積立投資商品を提供していたのだが、2012年8月に日本市場からの新規受け入れを停止した。
この背景にMLM(マルチレベルマーケット、ネットワークビジネス)的に勧誘を行う日本組織があったからという噂もある。
リーガルマインドを持ったフレンズプロビデントだからの判断と言える。
契約やサポート業務を放棄し第3者組織にお願いするIFAではなく、国内外の法律を理解し、しっかりと業務責任を果たすIFAを選択する事が重要になってくる。
海外の金融商品・保険商品故に日本国内にそのIFA=正規代理店はなく、海外にあるIFAに連絡をする事になるが、日本人スタッフがいるIFAもある。
日本人の受け入れやサポート実績が豊富なIFAで、自らクライアントと向き合って対応してくれる責任感あるIFAを選ぶ事が重要だ。
オフショア投資商品・保険商品のIFA=選択基準についてまとめてみたが、ここで書いたことはIFAに限った話ではなく、一般的な企業を見るのと同じ視点であると思わないだろうか?
①~③のベースがあるIFAであれば安心して契約ができ、そのようなIFAであれば、あなたに合った商品を案内してくれるはずだ。
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