タイに渡航して資産運用のお話をした人から「タイにある○○と言う会社を通してオフショア金融商品を購入するのはどう思いますか?」という質問を受けた。
タイはオフショア金融センターではなく金融立国とは言えないので、オフショア金融商品を購入するなら香港の正規代理店を通すべきである。
タイの法人税は20%になったものの、オフショア金融センターとは言えない!
海外の資産運用について調べていくと、タックスヘイブンやオフショアという言葉が出てくる。
各々明確に定義されているものではないが、タックスヘイブンは租税回避地と言われており、オフショアは海外の資産を受け付けている国や地域の事である。
タックスヘイブンは法人税が20%未満の国や地域を指す事が多い。
タイの法人税を調べてみると、2011年までは課税所得に対し原則30%であった。
2012年から2015年までは軽減税率が適用され、2012年は23%、2013年~2015年までは20%となっていた。
そして、2016年以降は、法人税率が原則恒久的に20%となった。
タックスヘイブンを法人税率20%以下とすればタイはタックスヘイブンの仲間入りだが、20%未満であればそうではない。
微妙なラインである。
では、タイが海外の資産を受け入れているオフショアであるかと言えば、そうは言えない。
非居住者が資金調達・運用などの資金取引を自由に行える金融機関・金融商品がある地域は「オフショア金融センター」と言われている。
タイに登録されている金融商品はほとんど見聞きする事はなく、あったとしても購入に値するものではないだろう。
銀行口座にしても非居住者が使い勝手のいいものとは思わない。
こうした点から、タイはオフショア金融センターとしての地位を確立していない。
1990年代にオフショア市場の設立を目指していたものの、1997年のアジア通貨危機で大打撃をくらい、思惑通りにいかなかった過去もある。
日本から最も近いタックスヘイブン地域でオフショア金融センターとしての地位を確立しているのは香港である。
香港の法人税率は16.5%であり、香港非居住者でも銀行口座の開設や香港籍の金融商品を購入する事ができる。
世界でも有数の金融立国である。
タイに住んでいてオフショアを活用した資産運用に興味があるのであれば、香港の正規代理店を通して契約を行うべきだ。
先々日本に戻ってくる可能性もあるのであれば、タイからも日本からも遠くない香港の正規代理店を利用すると使い勝手が良いはずだ。
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