亡くなった人の相続預貯金を遺産分割前でもおろせる払戻制度が、令和元年7月からスタートする。
全額ではなく最大で150万円。
身内のお金でも死後は銀行(国)に管理されるのって何だか変な話だな、と感じてしまうのは私だけだろうか?
遺族の事を思うなら終活で全額引き下ろしたり、生前贈与を考えるべきではないだろうか?
この話、故人(被相続人)の口座は、銀行が死去を知った時点で凍結される事が大前提となっている。
制度としては、改定前は遺産分割協議書が必要で、相続人全員の印鑑証明書を提出する事によって、分割協議の自らの取り分が引き出せる事になっていた。
しかし、亡くなって直ぐに必要な葬儀代などに間に合わないなどの弊害があった。
その為、150万円を上限に、相続時の預金額×1/3×法定相続人の取り分の割合分だけは、遺産分割協議書は不要で、本人分の印鑑証明書を提出するだけで良くなった。
直ぐに故人のお金を引き出せるようになったのは良いのだが、そもそも身内のお金であってもスムーズにお金を引き出せないのは不思議な話だなと感じてしまう。
前提として書いたように、日本で亡くなった人の銀行口座は凍結されてしまうのだ。
国には預金封鎖させるだけの権限があるという事である。
亡くなった後に遺族にこうした悩ましさを持ってもらわない為には、亡くなる前に日本の銀行からお金を全部引き出しておいた方がいいはずだ。
終活の中で、銀行預金を全額引き出すという作業も必要だと思う。
日本の銀行に多額の余裕資金を置いていても意味はなく、こうした時に煩わしさを感じるだけである。
もちろん、ただ引き出すだけでなく生前贈与なりをしておいた方が良いだろう。
銀行から引き出したお金、どうすれば良いのだろうか?
余裕資金があってタンス預金にしていても資産が増える訳でも何でもない。
インフレで物価が上がっていけば、資産価値は減ってしまう。
これはタンス預金だけでなく銀行預金でも同じことであるし、利回りの低い国内の生命保険や年金プランを契約しても資産価値はやはり増えない。
相続できるお金があるならば、利回りが良い海外の金融商品を契約した方が良いと思うが、海外の金融商品は親子間や夫婦間で共有名義にできたりもするので、とても有用な商品と言えるのである。
(日本の銀行からお金を引き出したとして、それが相続税の対象から外れる訳ではない。)
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