太平洋戦争と銀行 なぜ日本は「無謀な戦争」ができたのかを読んだ感想レビュー!現代にも通じる日本のお金のやりくりが感じられる一冊!

書評
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世界中で争いが絶えないが、戦争には多額のお金が必要だ。

アメリカの場合は多くの軍人がいて兵器も多いので、適度に戦争を行って経済を回しているという話も聞いたりする。

戦争を行わないと武器が腐るので、償却する為に戦争を行っていると話す人もいたりする。

いずれにしても戦争にはお金が必要だ。

日本は1945年8月15日に終戦を迎えるが、人・物・金が尽きていて、最後は戦える状況にはなかったはずだ。

終戦に向けて景気は悪くなり、「欲しがりません勝つまでは!」といったキャッチフレーズも有名だが、どのように戦費を賄っていたかなどは不思議である。

防衛省防衛研究所主任研究官 小野圭司氏の著書【太平洋戦争と銀行 なぜ日本は「無謀な戦争」ができたのか】では、太平洋戦争時から戦後含めての銀行の動きが描かれている。

銀行の動きなのでお金の動きも分かるのだが、戦争にはお金が必要で、その為に工面した様子が伺える一冊となっている。

 

太平洋戦争と銀行 なぜ日本は「無謀な戦争」ができたのかの感想レビュー!現代にも通ずる部分とは?

先ず、この書籍は戦争に関する本であり、経済に関する本である。

難しい漢字や言い回しだなと思う部分があるのだが、何となくでも読み進めれば大まかに内容は理解できると思う。

登場人物も多く、項目によって地域が変わったり戻ったりするので登場人物にも惑わされたりするが、その部分も何となくなイメージで読み進めれば良いと思う。

感想レビューとして、私が思ったことや感じた事を綴っていきたいと思う。

ネタばれにならないように詳細には突っ込まないようにしたいが、中身を隅々まで楽しみにしておきたい方は私のレビューを読み飛ばしてもらいたい。

そして、書籍を購入して読了したの後に、このコンテンツを改めてみてもらえればと思う。

本ブログ読者にはお馴染みで好きな人も多いと思われる香港上海銀行(HSBC)やマン島なども登場する。

どのように登場するかは内緒にしておくが、この時代からHSBCやマン島は稼働していたことが分かる。

オフショア投資について懐疑的な目で見る人もいるが、戦時中も含めて長く経営を維持していることは、それこそが信頼の証と言えるはずだ。

 

戦争と絡めた話だとインフレーションや預金封鎖と言ったことにも興味ある人が多いことだろう。

当時、どのように戦費を賄っていたかという点は幾つかの手法が紹介されているのだが、その中にはもちろん紙幣の印刷が挙げられる。

となると、もちろんインフレーションを考慮しながら発行をしていたのだが、それでも戦時中のインフレはすさまじかった。

紙幣の発行よりも、そもそも物がないので供給不足で物の値段が上がっていった側面もある。

市民もそのあたりには敏感だったようで、何かあると感じた際には預金の引き出しを考えていたようだ。

取り付け騒ぎにならないようなコントロールも必要であったと書かれている。

「欲しがりません勝つまでは!」のキャッチフレーズは戦時中に贅沢をするなという意味であったようだが、その裏には余裕ができれば預金をさせて、銀行が戦争国債を購入する資金にさせていたようだ。

今も日本国債は銀行や保険会社に半ば強制的に購入させており、その資金は国民の預金や保険料であることを考えると、昔も今も日本国債の販売マーケティングは似ているなと感じてしまう。

銀行の大きな役目の一つとして支店でのやり取りが上げられるが、戦争末期には軍隊と共に銀行も動いていたらしい。

前線では食料や資材の購入にお金が必要だが、その金庫番となっていたのだ。

そんなことをする為に銀行に就職したのではないと感じた行員もいたと想像するが、戦時中に銀行員の勝手な転職は禁じられたと書かれている。

嫌な時代である。

 

紙幣や貨幣(硬貨)は資源不測の影響で徐々に粗悪なものになっていったようだ。

金属を軍需産業へ持っていく為に陶磁器やゴムで作られた貨幣も製造されていた。

また、戦時中は海外に植民地なども持っていて、そうした国や地域の経済政策も考えなければならなかったようだが、終戦に近づくと制空権を米国に握られていて、紙幣の輸出入にも頭を悩ませていたと書かれている。

海外で日本円を印刷したりと、その苦労が描かれている。

金(Gold)などは潜水艦を使って輸出入をしていたそうだ。

今も金の密輸を行っている組織があるが、その移転方法を巡る攻防戦は昔から続いているようだ。

要するに、戦争が終わりに近づくと物理的に資産移転が難しくなっていたという事である。

現代もマネーロンダリングなどがあり、法律やルールが厳しくなっていて資産移転が難しいが、こうした共通点は興味深い部分である。

 

この本で響いた点の一つに「敗戦」と「終戦」は違うということがある。

戦争は負けた時点で終わるのではなく、敗戦国としての責務を終えた後に真の終戦となる。

そもそも、ポツダム宣言の受託でゴタゴタとしていたようで、負けを認めるのは難しい作業なのだろうが、それだけでなく、戦後はGHQがやってきて国を半ば統治された。

賠償金の清算もあり、厳しい時代となってしまう。

銀行業も自由には活動できない中でインフレーションの抑制をしなければならず、その結果として預金封鎖が起こってしまう。

日本の終戦記念日は1945年8月15日となっているが、戦後清算を行い、国際社会への復帰と主権回復を実現したサンフランシスコ講和条約が発効された1952年4月28日が真の終戦記念日と言えることだろう。

 

今も世界中で多くの争いが起こっているが、戦争は始めるよりも終わらせることの方が難しいのだなとこの本を読んで感じた。

世界中が終戦となる日はいつかやってくるのだろうか?

 

資産を守る為に大事なことは、やはり分散投資!

戦争状態となると、国民の自由度は減ることだろう。

敗戦国となれば、戦勝国に接収されて何もできなくなってしまうかもしれない。

自分の資産が自由に扱えなくなってしまったら大変だ。

そうならないように、やはり資産は分散投資しておくことが重要であると感じる。

日本が戦争に巻き込まれることはないと信じたいが、近隣国や世界中の情勢を見ているといつ何が起こっても不思議ではない。

また、戦争関係なしに日本の経済状況を見ると、日本円の力は衰えていると感じる。

日本国内に資産を集中して置いておくことはリスクであり、意味なく放置していたら、知らず知らずと資産を目減りさせてしまう。

日本に住み、日本で働き、日本で日本円で収入を得ている人が、日本国内だけで日本円ベースで資産を貯め込むのはリスクを重ねているようなものである。

余裕資金があるのなら、海外も含めた資産分散を行うべきである。

 

戦時中は資産移転が難しかったが、現代社会も違う意味で難しい。

各国でマネーロンダリング対策が厳しくなっており、海外の顧客を受け入れてくれる保険会社や金融商品のプロバイダーも多くはない。

銀行も同様で、自国民以外の受け入れには慎重だ。

とは言え、日本居住の日本人を受け入れてくれる海外の保険会社や金融商品のプロバイダー、そして銀行は存在する。

いつか全てが打ち切られる前に、可能な内にこうした金融機関を活用して海外に資産移転しておくことを推奨したい。

それが資産保全となるはずで、お子さんやお孫さんなど家族を守る手段となってくることだろう。

 

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