格安ツアーを販売していた旅行会社「てるみくらぶ」が破綻した。
この破綻を見て、投資詐欺と似ているなぁと感じてしまった。
破綻と自転車操業と投資詐欺の相違点
てるみくらぶが自己破産を申請した時の負債総額は約151億円となっているが、その内訳は、一般旅行者の約3万6000件の申込みに対して約99億円、96社の仕入れ先(現地ホテルやランドオペレーターなど)に対して18億円、金融機関などの借り入れが32億円、国際航空運送協会(IATA)に4億円となっている。
一般旅行者から集めた99億円はクレジットカード不可で現金での支払いのみとして集めたようだが、その納期は申込みから1日だったケースもあるらしい。
この部分をカッティングして考えると、資金を早く回収しなくてはならなかった理由があり、自転車操業では?と思ってしまう。
また、てるみくらぶは記者会見で破綻の原因を述べている。
①各種仕入れの環境の変化
(仕入れ先の直接販売が増え、航空機材も安い座席の確保は難しくなってきた。
各種仕入れの環境が変わり、大手と同程度の仕入れ価格が増えていった。)
②一昨年(2015年)からシニア向け商品を新聞広告で販売するようになったが、その媒体コストが高コストとなり、「見誤った」
私がなぜ、投資詐欺と似ているのでは?と思うのかと言えば、実際には運用もしていないような案件に対して資産を集め、自転車操業で最初の内だけ利益を確保している(確保していると見せている)ケースが投資詐欺には多いのだ。
しかし、そのうち仕入れ先(投資してくれる人)がいなくなり、どれだけ宣伝(多くの場合はネットワークビジネス)してもキャッシュが回らなくなってしまい、破綻するケースが多い。
こうした投資詐欺は2~3年で破綻する事が多いが、てるみくらぶも新聞広告から2年。
自転車操業はどれだけ宣伝しても、2年しか持たないということだろうか?
てるみくらぶは旅行業をしていた実態があるので、詐欺に問われることはないだろう。
同じように、投資詐欺もその契約書を見ると、実は投資(資産運用)ではなく事業出資となっているケースがあり、詐欺と認定できないようにしている事が多い。
また、投資詐欺の場合は海外を拠点にしているケースが多く、実際に騙されたと思っても訴える事すら難しい。
海外をベースにした投資詐欺で集めたお金は、海外のどこかに移しているはずだ。
頭の良い(⁉)詐欺師は破綻までのスキーム・スケジュールを当初から決めていて、破綻ありきで動いているのだ。
投資・資産運用で詐欺に遭わない為には、各国の金融庁に当たる機関にきちんと登録されている会社・商品であるかを確認する事がポイントとなってくる。
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