海外積立・オフショア投資商品は手数料が高いと言う人がいる。
実際にはどうなんだろうか?と頭が切れる人たちと議論したので、まとめておきたい。
海外ファンドはマザーファンドで国内投資信託の海外物はベビーファンドである事を把握すべし!
海外積立・オフショア投資商品の手数料が高いと言う人がいるが、そもそも逆の発想で、国内の投資信託はこの手数料で本当に証券会社はやっていけるの?と不思議なほど手数料が低いと感じてしまう。
そこには何か裏があるはずだ!というところからの議論であるが、考えてみれば、海外積立・オフショア投資商品などで購入できるファンドはマザーファンドである一方、つみたてNISAなど国内の証券会社経由で購入できるのはベビーファンドであるという違いを把握しておく必要がある。

これはブラックロック・ジャパン株式会社が提供しているファンド「ブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンド」の投資信託説明書(交付目論見書) に記載されている【ファンドの仕組み】である。
日本で販売されている当該ファンドはベビーファンドとなっていて、実際にはマザーファンである「ヘルスサイエンスマザーファンド」に投資されることになるが、その97.8%が海外の「BGF ワールド・ヘルスサイエンス・ファンド」に投資する事になっている(当該目論見書6ページ目参照)。
この「BGF ワールド・ヘルスサイエンス・ファンド」は大元でありマザーファンドと呼ばれているが、つまりは、日本の証券会社で購入できるファンドはベビーファンド=子請けとなっているので、
①その分の手数料が内包されて徴収されている(ファンド価格がマザーファンドよりも下がっている)。
もしくは、
②マザーファンドを提供している会社からベビーファンドで資金(顧客)を集めた会社にコミッション(報酬)が渡っていて、その分顧客が得をする。
のどちらかのスキームがあると考えられる。
この段階で言える事は、RL360°やITAで購入できるファンドはマザーファンドを直接契約できる事。
通常、ファンド会社は小口の個人投資家を受け入れていないのでベビーファンド経由でしか購入できないが、RL360°やITA経由であれば直接マザーファンドを購入可能となっている。
普通に考えれば、直接的にファンドに投資できた方が手数料などの無駄もなく購入できるはずだ。
日本の証券会社が独自に組成しているファンドについては海外と比較しようがないのだが、海外のファンド会社は日本のマザーファンドをベビーファンドにまでなって投資家から資金を募ろうともしていないので、こうした観点からも日本と海外の金融格差を感じる事ができる。
色々と小難しく書いたが、日本の証券会社で購入する海外のファンドはベビーファンドになっているので、大元であるベビーファンドと比較して有利な条件で購入できることは考えられない。
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同じようなファンド・投資信託でもマザーファンドとベビーファンドで価格(利回り)が異なる!
国内の投資信託で海外のファンドを購入する際はベビーファンドとなっている一方、RL360°やITAで購入するファンドはマザーファンドとなっている。
その為、同じような銘柄のファンドを購入しても、先ほど書いたように以下の2つが何らかの形でクライアントに影響が出てくるのではないかと予想できる。
①その分の手数料が内包されて徴収されている(ファンド価格がマザーファンドよりも下がっている)。
②マザーファンドを提供している会社からベビーファンドで資金(顧客)を集めた会社にコミッション(報酬)が渡っていて、その分顧客が得をする。
この2点について考察してみたい。
投資信託説明書(交付目論見書)を見ると、国内の投資信託で購入できる当該ファンドはベビーファンドとなっていて、マザーファンドであるヘルスサイエンスマザーファンドに投資される。
具体的には当該目論見書の6ページ目に記載されている通り、以下のような割合で組成されていることが分かる。
・BGF ワールド・ヘルスサイエンス・ファンド:97.8%
・ICS ブラックロック・ICS・USトレジャリー・ファンドエージェンシークラス投資証券:1.0%
・現金その他:1.2%
ほぼBGF ワールド・ヘルスサイエンス・ファンドと考えていいだろう。
この2つの2020年の利回りを比較してみよう。
①その分の手数料が内包されて徴収されている(ファンド価格がマザーファンドよりも下がっている)。に関する検証である。
⇒ ブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンド
⇒ BlackRock Global Funds – World Healthscience Fund A2
(共にモーニングスター(MORNINGSTAR)より)
国内の投資信託で購入できるブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンドは7.62%に対して、BGF ワールド・ヘルスサイエンス・ファンド(BlackRock Global Funds – World Healthscience Fund)は10.47%になっている。
国内の投資信託でベビーファンドを購入すると、マザーファンドよりも27%も低い数字になっている。
為替差はそれほどなかった1年なので、つまりはベビーファンドとなるとその分の手数料が差し引かれる事を意味する。
この価格差(利回りの差)を無視して、海外積立・オフショアファンドの手数料が高いと言うのは話が違ってくるのではないだろうか?
外から見える手数料だけを見ていると、本質を見逃してしまう事があるので要注意。
②マザーファンドを提供している会社からベビーファンドで資金(顧客)を集めた会社にコミッション(報酬)が渡っていて、その分顧客が得をする。に関しては、実際にコミッションが渡っているかどうかは内部に潜り込まない限り検証できないのだが、①から見るに、そのファンドの価格差がコミッションの一部になっていると考えられる。
顧客が得をする分となっているとは考えられない。
今回検証して思ったのだが、そもそも日本の証券会社を通して購入できる投資信託と海外の保険会社を通して購入できるファンドが違い過ぎている。
日本の証券会社だけで購入できるファンド(日本の証券会社が組成しているファンド)は海外の証券会社や保険会社がそれをマザーファンドにしてまで取り込もうとは思わないはずだ。
逆に日本の証券会社が海外のファンドを取り込むにはベビーファンドとなるので、顧客としては手数料が高くなる。
つまりは、海外のファンドに直接アクセスできるのが一番良い方法だと思われる。
ファンドの価格差ももちろんあるが、日本の経済状況や人口減少・少子高齢化を考えると、日本円が今後強くなっていく事は想像し辛い。
そう考えると、コツコツと日本円を資産逃避させて外貨で運用できる海外積立投資商品は資産保全対策商品としてもとても価値が高い。
日本で投資信託やNISAを購入するか海外積立などの海外の金融商品を購入するか、判断ポイントは多々あると思うが、海外の手数料が高いと言う短絡的な見方で海外を避けてしまうのは大変もったいないように感じてしまう。
マザーファンドとベビーファンドの違いがあるように、海外と日本では金融格差があることをぜひ知ってもらいたいなと思う。
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