海外積立・オフショア投資商品は手数料が高いと言う人がいるが、こうした商品は海外で組成されるマザーファンドを直接購入できる。
一方、国内のつみたてNISAなどで提供される投資信託はベビーファンドとなっている。
ここに何らかの秘密があるはずだ。
同じようなファンド・投資信託でもマザーファンドとベビーファンドで価格(利回り)が異なる!
昨日の続きである。

国内の投資信託で海外のファンドを購入する際はベビーファンドとなっている一方、RL360°やITAで購入するファンドはマザーファンドとなっている。
その為、同じような銘柄のファンドを購入しても、以下の2つが何らかの形でクライアントに影響が出てくるのではないかと予想できる。
①その分の手数料が内包されて徴収されている(ファンド価格がマザーファンドよりも下がっている)。
②マザーファンドを提供している会社からベビーファンドで資金(顧客)を集めた会社にコミッション(報酬)が渡っていて、その分顧客が得をする。
これは、ブラックロック・ジャパン株式会社が提供しているファンド「ブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンド」の投資信託説明書(交付目論見書) に記載されている【ファンドの仕組み】である。
ここに記載されている通り、当該ファンドはベビーファンドとなっていて、マザーファンドであるヘルスサイエンスマザーファンドに投資される。
具体的には当該目論見書の6ページ目に記載されている通り、以下のような割合で組成されている。
・BGF ワールド・ヘルスサイエンス・ファンド:97.8%
・ICS ブラックロック・ICS・USトレジャリー・ファンドエージェンシークラス投資証券:1.0%
・現金その他:1.2%
ほぼBGF ワールド・ヘルスサイエンス・ファンドと考えていいだろう。
この2つの2020年の利回りを比較してみよう。
①その分の手数料が内包されて徴収されている(ファンド価格がマザーファンドよりも下がっている)。に関する検証である。
⇒ ブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンド
⇒ BlackRock Global Funds – World Healthscience Fund A2
(共にモーニングスター(MORNINGSTAR)より)
国内の投資信託で購入できるブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンドは7.62%に対して、BGF ワールド・ヘルスサイエンス・ファンド(BlackRock Global Funds – World Healthscience Fund)は10.47%になっている。
国内の投資信託でベビーファンドを購入すると、マザーファンドよりも27%も低い数字になっている。
為替差はそれほどなかった1年なので、つまりはベビーファンドとなるとその分の手数料が差し引かれる事を意味する。
この価格差(利回りの差)を無視して、海外積立・オフショアファンドの手数料が高いと言うのは話が違ってくるはずだ。
外から見える手数料だけを見ていると、本質を見逃してしまう事があるので要注意。
②マザーファンドを提供している会社からベビーファンドで資金(顧客)を集めた会社にコミッション(報酬)が渡っていて、その分顧客が得をする。に関しては、実際にコミッションが渡っているかどうかは内部に潜り込まない限り検証できないのだが、①から見るに、そのファンドの価格差がコミッションの一部になっていると考えられる。
顧客が得をする分となっているとは考えられない。
今回検証して思ったのだが、そもそも日本の証券会社を通して購入できる投資信託と海外の保険会社を通して購入できるファンドが違い過ぎている。
日本の証券会社でだけで購入できるファンド(日本の証券会社が組成しているファンド)は海外の証券会社や保険会社がそれをマザーファンドにしてまで取り込もうとは思わないのだろう。
逆に日本の証券会社が海外のファンドを取り込むにはベビーファンドとなるので、顧客としては手数料が高くなる。
つまりは、海外のファンドに直接アクセスできるのが一番良い方法だと思われる。
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