中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法の施行から1年!香港のオフショア金融センターとしての地位はどうなっていくのだろうか?

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2020年6月30日に「中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法」が施行されてから今日でちょうど1年。

オフショア金融センターとしての地位は今後どうなっていくのかを、この1年の動きなどから考察してみたい。

香港は中国の政治色が濃くなっていったとしても、オフショア金融センターとしての地位は今まで以上に強固になっていくと思われる!

国家安全維持法、この法律が制定された背景にはその前年から続いていた過激なデモが大きく影響しているはずだ。

国家安全維持法はただ単にデモを制圧させるだけでなく、それ以上の香港の自由を奪っているという部分があり、2047年まで約束されている「一国二制度」が蔑ろにされているイメージだ。

それ自体は間違っていないように感じる。

その一方で、香港市民としては国家安全維持法でデモが制圧され、平穏な暮らしが送れるようになったと安堵している人も多いと聞く。

確かに、あのデモと遭遇した経験からすると、あれはデモではなく暴動では?と思えなくもない。

平穏な生活ができなくなっていたし、ビジネスマンも仕事にならないと悩んでいた。

暮らしやビジネスが通常に行えるようになったという点で、国家安全維持法を好意的に受け入れている市民やビジネスマンも少なくないようだ。

では、オフショア金融センターとしての香港の地位はどうなっていくのだろうか?

私は、衰退していくとは全く思っていない。

一国二制度は2047年まで約束されているものであるが、その後は元々中国になる可能性が高く、それが早まっただけと思っているのだが、2047年になったら香港金融が崩壊していたのか?と言われれば、誰もそんな事は考えていなかったはずである。

また、中国側からの視点で考えてみても、高官・政治家・資産家・経営者・富裕層etcが香港の金融システムを使っているので簡単に潰す事などできない。

香港経済・香港金融を潰すことは中国経済・中国金融を潰すことを意味するのにほぼ等しい。

中国としては、香港のお隣にある国境の街である経済特区・深圳を大都市化させているが、深圳と香港とで中国のゲートウェイとしての機能をますます大きくさせていきたいと考えているはずだ。

既に出来上がっているオフショア金融センターとしての香港の地位を中国が自ら手放すことなど考えられないし、上手く活用して中国の経済を活性化していきたいと考えていると思う。

と考えれば、オフショア金融センターとしての香港の地位が簡単に崩れるとは思えず、寧ろ大きくなっていくのではないかと考えられる。

 

客観的な数字を見ても、先ず、この1年で香港の株価指数である「香港ハンセン株価指数」が下落していることもない。

格付けにしても、この1年で下げられている事もない。

また、イギリスのシンクタンクZ/Yenグループが年に2度(3月・9月)リポートを公表している、金融センターの国際的競争力を示す「世界金融センター指数(Global Financial Centres Index, GFCI)」というのがあるが、直近である2021年3月のデータで香港は4位にランキングされている。

順位 都市名 前回順位
1位 ニューヨーク 1位→
2位 ロンドン 2位→
3位 上海 3位→
4位 香港 5位⤴
5位 シンガポール 6位⤴
6位 北京 7位⤴
7位 東京 4位⤵
8位 深圳 9位⤴
9位 フランクフルト 16位⤴
10位 チューリッヒ 10位→

GFCI 29 Rank
(29という数字は、2007年3月から始まったGFCIのリポートの公表回数を示すようだ。)

香港は前回の5位から一つランキングを上げて4位になっている。

(ちなみに東京は3ランク下げて7位になっている。)

香港の過去5回のランキングを調べてみたら・・・

・2019年3月:3位
・2019年9月:3位
・2020年3月:6位
・2020年9月:5位
・2021年3月:4位

と推移しているのだが、3位をキープしていたのが2020年3月に6位となって以降、徐々にランキングを戻している事が分かる。

何故2020年3月にランキングを落としたかと言えばデモの影響となっている。

そして、その後にランキングを徐々に戻していることから考えると、客観的に見て、デモは香港金融にとってマイナス要因だったのだが、国家安全維持法はオフショア金融センターとしてのマイナスの影響は少なく、プラスに作用していると評価しているからと言える。

 

政治的視点だけでマスメディアの情報を見ていると、香港金融に対してネガティブに考えてしまうだろうが、冷静に客観的な情報も踏まえて考えると、オフショア金融センターとしての香港の地位は下がっている事はなく、今後も問題なく維持されていくと思われる。

 

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