保育の「量の拡大」「質の改善」を図る子育て支援の新制度の現状

家計

「量の拡大」と「質の改善」を図る新・子育て支援制度が2015年4月よりスタートする。

保育の充実により女性の社会進出を図り、国にとっても家計にとっても良い話だが上手く進んでいないらしい。

当初の予算に足りず、しわ寄せは保育スタッフに

この法案は民主党時代に考えられたもので、自民党がそのまま受け継いだ。

100年に一度の改革と注目を集めていたが、やはり問題は予算。

「量の拡大」と「質の改善」の両面から保育を充実させようと計1兆1000億円の予算が必要と算出された。

量の拡大:年間4000億円
⇒待機児童の解消・・・保育所、認定子ども円、小規模保育の拡充
質の改善:年間7000億円
⇒保育施設職員1人あたりの園児数の削減、職員の給与UP

この必要経費に消費税を見込んでいた。

消費税増税のよる「社会保障と税の一体改革」の目玉政策の一つである。

そもそも民主党が考えていたのに消費税を見込んでいるのが意味不明であるが、消費税から持って来れる予算は7000億円。

4000億円のショートであるが、ここを埋められずに質の改善を3000億円で実行するらしい。

即ちは保育スタッフへの負荷はあまり軽減されないのだ。

保育スタッフの給与

保育士など保育に関わるスタッフの給与、特に公立では極めて低いらしい。

年収240万円にも届かないとか。

これではどこかで派遣の仕事をしていた方が実入りは良い。

その割にサービス残業が多かったり、子どもを預かる責任が多かったりと負担は大きい。

確かに知り合いの保育士は、家に帰ってからも学校で作る教材作りで大変そうだ。

女性の社会進出と銘打っておきながら、そのベースとなる保育所の労働環境が悪いとは何とも皮肉な話である。

この制度が活用されれば、多くのお母さんが社会復帰できるようになり家計は潤うだろう。

損をするのは保育スタッフ。

「量の拡大」と言ったところで、そこを運営する質が上がらなければ何の意味もない。

全体を考えれば取るべき対策が違うとわかると思うのだが、質だけの予算を削るとはナンセンス極まりない。

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