総務省が2人以上世帯の平均貯蓄額は1,739万円になると発表した。
データの基は家計調査報告。
この数字はどれほど実態を表しているのだろうか?
平均値と中央値
平均値について、具体例を出して考えてみたい。
Q1:10人が500万円の貯蓄の平均値
Q2:4人が100万円、2人が500万円、4人が900万円の貯蓄の平均値
Q3:6人が100万円、4人が1,100万円の貯蓄の中央値
Q4:9人が100万円、1人が4,100万円の貯蓄の平均値
Q5:4人が50万円、6人が800万円の貯蓄の平均値
Q1~Q5、平均値は全て500万円である。
「平均」の言葉に騙されてはいけない。
ばらつきを考慮した標準偏差などもデータ分析で扱われれることも多いが、国が国民に出すデータとしては理解させるのは難しいだろう。
簡単なものとして、中央値がある。
中央値とは平均ではなく、順番に数えて真ん中に来るデータの数値をピックアップしたもの。
Q1:500万円、Q2:500万円、Q3:100万円、Q4:100万円、Q5:800万円
となる。
日本の年齢を表す時には何故か中央値が採用されることが多い。
平均年齢ではなく、中位年齢が示されたら中央値のことである。
ちなみに2010年の日本の中位年齢は45歳。
国民の半数が45歳以上であることを示す。
生データを見ることが出来ればそれが一番
中央値で全てを語れる訳ではない。
平均値に疑問を感じたら中央値を調べてみればいい。
それ以上に一番いいのは生データをみること。
平均貯蓄であればグラフ化されてるのをみればイメージがつきやすい。
また、平均貯蓄と言いつつ、国民一人一人にデータを取った訳ではない。
データの抽出方法についても把握したほうがいいだろう。
データの扱い方法もプレゼン方法の一つ。
嘘の無いようにデータの作り方&見せ方で印象が大きく変わってしまう。
今回の総務省のデータも吟味すれば100万円未満の層が多く、中央値は1,023万円になる。
総務省は、日本人は貯蓄が多いと印象付けたかったのかもしれない。