米ドルと香港ドルは一定範囲内で連動しているドルペッグ制が取られている。
中国が香港に対して施行した国家安全法により、ドルペッグ制が終了するのでは?終了したらどうなるのでしょうか?という質問を頂く事があるが、気にする必要はないと思う。
米ドル-香港ドルのペック制が終了したら香港ドルが強くなるのでは?
米ドルと香港ドルはおおよそ7.75~7.85(USD/HKD)の間に入るように調整されている。
今のチャートを見てみよう。
(Yahoo!ファイナンスより)
下に張り付ている。
USD/HKDのチャートなので、香港ドルの方向に引っ張られていて、香港ドルの方が強い事が分かる。
(米ドルより香港ドルの方が買われている)
国家安全法が出た後も香港ドルの方が強いので、為替的にみて香港経済は危惧されていないと言える。
投資家も香港経済・香港ドルをマイナスに見ていないと言えるだろう。
もし、ドルペッグ制が無ければ、もっと香港ドルは高くなっているかもしれない。
米ドルと香港ドルのペッグ制は1983年から存在している。
これは1997年の中国返還前であり、米国が香港への優遇措置供与を決めた1992年よりも前であり、直接国家安全法などには関係なく、国家安全法も「政権転覆」「国家分裂」「テロ活動」「外国勢力と結託して国家安全に危害を加える行為」に対してのものであり、為替とは直接関係ない。
とは言え、将来に亘って米ドルと香港ドルのペッグ制が継続するかどうかは分からない。
アメリカサイドからペッグ制の廃止を提案されるかもしれないが、チャートを見る限り、廃止されたら香港ドルが強くなっていく可能性があると思う。
中国の影響を受けると考えるかもしれないが、今後の中国を考えれば、それも香港ドルが強くなっていく要因と考えられる。
ネガティブに考える人が増えているような気がするが、冷静に考えれば、ドルペッグ制が無くなる可能性があったとしてもそれは香港ドルの地位を揺るがす話になるとは考え難く、変動相場で為替価格が決まる自由な相場になるだけである。
日本人として考えないといけない点はドルペッグ制の維持に対する懸念ではなく、日本円の将来性だと思う。
米ドルや香港ドルの関係性より、日本円の将来価値の方が心配だ。
(だから余裕資金は日本に置かない。)
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