中国が香港に対して施行した国家安全法でオフショア金融センターとしての地位は崩壊してしまうのか?そう思わない3つの理由とは?

香港

中国が香港に対して国家安全法を施行した。

オフショア金融センター「香港」が崩壊するなどと言った記事をよく見かけるが、私は全くそうは思わない。

香港がオフショア金融センターとしての地位を維持できると思う3つの理由とは?

香港は国土が狭く、農業・漁業・工業などで国(地域)を潤す事は難しく、経済政策によって国を維持させている。

(加えて観光立国でもある。)

法人税を著しく低くして外貨を獲得するほど、お金が回る法整備がされていて、オフショア金融センターと呼ばれている。

その香港、国家安全法によりオフショア金融センターとしての役割が終焉を迎えるのではないかと言えば、そうは思えない。

その大きな理由を3つ挙げてみたい。

①中国がオフショア金融センター「香港」を活用しまくっている!

国家安全法は「政権転覆」「国家分裂」「テロ活動」「外国勢力と結託して国家安全に危害を加える行為」に対してのものである。

香港経済や香港金融を潰してしまったら、それこそ中国経済も右肩下がりとなり国家分裂となってしまう。

と言うのも、香港の金融システムを中国が使いまくっている背景がある。

中国の政治家・高官、経営者、富裕層・資産家などを中心に香港の銀行口座を開設していたり、金融商品を購入しているし、多くの中国系大企業が資金調達の場としている。

中国は香港を窓口にして海外と繋がっている部分が多く、香港には多くの人民元が流れ込んでいる。

そんな香港金融を潰す事は中国自体が許さないはずだ。

②国家安全法で香港経済は上向くはず!

国家安全法の報道を見ていると、中国が高圧的に香港を封じ込めているイメージがあると思う。

言論統制などは行われていて、もちろんそうした報道が間違っているとは言わない。

だが、香港の中では国家安全法を好意的に受け止めている人も多いと聞く。

2019年夏前頃から逃亡犯条例改正に対する大規模なデモが起こり、香港経済は落ち込んだ。

そして、2020年はコロナウイルスにより世界的に経済は冷え込んでいる。

国家安全法が施行されなければデモ活動が続き、香港経済は戻る事無く、それこそ本当に死んでしまうかもしれない。

5月・6月とほぼコロナウイルスを抑え込んでいた香港(7月に入りやや増加)、デモもなくなり、平穏に経済が動き出す事に期待している人が多いようだ。

国家安全法はマイナスな面ばかりが取り上げられているが、実は経済面に対してはプラスなのである。

③香港ドル、香港ハンセン指数の動きを分析

国家安全法が施行され、香港ドルや香港ハンセン指数の動きをチェックしてみると興味深い。

香港ドルは米ドルと一定レンジ内で動くドルペッグ制が取られているが、国家安全法が施行後、香港ドルが売られているという傾向は見られない。

また、香港の株価指数である香港ハンセン指数の動きを見ても、国家安全法施行後に売りたたかれているという事はなく、寧ろ右肩上がり。

つまり、市場は国家安全法をネガティブには見ておらず、ポジティブな動きをしている。

この動きから香港が崩壊するという事はないと考えられる。

以上のような背景から、私は香港経済、香港金融が崩壊するとは全く考えていない。

一国二制度は2047年までで、その後は元々中国になる可能性が高く、それが早まっただけと思っている。

ここ1~2年の動きで香港を懐疑的に見ている人が多いが、そうした事がなかったとして、2047年になったら香港金融が崩壊していたのか?と言われれば、誰もそんな事は考えていなかったはずであり、中国側からの視点で考えても、高官・資産家・経営者・富裕層etcが香港の金融システムを使っているので潰す事などできない。

香港金融を活用している日本人は特に気にせずそのまま香港を活用すれば良いと思うし、これから香港での資産運用をどうしようかと思っている人も、ネガティブに考える必要はないと思う。

それ以上に、日本に余裕資金を貯め込んでいても資産が増える訳でもなく、インフレなどにより資産価値が減少する可能性もあり、何もしない事が一番のリスクであり、国際分散投資を進めていくべきである。

 

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