英誌エコノミスト(Economist)の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence Unit=EIU)が毎年発表している「世界の住みやすい都市ランキング(The Global Liveability Index)」の2024年版で大阪が9位という結果であった。
日本は住みやすいが、お金・資産が成長できる居心地の良い場所とは思えない!
世界の住みやすい都市ランキング2024年版の結果は以下の通りとなっている。
順位 | 都市 | 国 |
1位 | ウィーン | オーストリア |
2位 | コペンハーゲン | デンマーク |
3位 | チューリッヒ | スイス |
4位 | メルボルン | オーストラリア |
5位 | カルガリー | カナダ |
5位 | ジュネーブ | スイス |
7位 | シドニー | オーストラリア |
7位 | バンクーバー | カナダ |
9位 | 大阪 | 日本 |
9位 | オークランド | ニュージーランド |
⇒ EIU’s Global Liveability Index hits a 15-year high
ランキングされている国は東欧、オセアニア、カナダ、日本の国や地域となっている。
2021年版では大阪が2位、東京が5位となっていたが、共に順位を落としている。
(2024年版での東京は14位。)
住みやすい都市から徐々に離れていっているという事だ。
物価が安く美味しいものが食べれて、そして安全。
日本はこんな国だと思うのだが、それでも魅力が無くなっているのは何故だろうか?
単なる観光都市になってしまっているのかもしれない。
観光には訪れたいが住みたくはないという事だろう。
コロナウイルスの影響で欧州の多くがランクを落としたとなっているが、それだと日本はどうなの?と思わなくもないが、欧州と比較したら罹患者数が少ないので影響度が小さいと判断されたのだろう。
このランキングは、以下5項目で評価されている。
安定性:軽犯罪および凶悪犯罪の発生率、テロの脅威、武力紛争の脅威など
ヘルスケア:利用できる医療、医療の質など
文化、環境:気候、汚職の度合い、検閲の度合い、楽しめるスポーツなど
教育:利用できる私教育、私教育の質など
インフラ:路網や公共交通機関の質、質の良い住宅が手に入るか、通信の質、水やエネルギーの質など
細かなポイントで言いたい事はあるのだが、大阪は成熟した都市であり、安全性も高いので上位にランキングされるのだろう。
(大阪は一部地域が危険と思われているが、近年はそれほど大きな事件は見聞きしないように感じるし、大阪府全体で考えれば安全で住みやすい街だと思う。)
私は今、大阪を拠点にしているが住みやすいと感じる。
私が最初にこのランキングを見て、確かに大阪は住みやすいと感じたのは、食事が美味しく安価な点が外せない。
5つの評価項目に加えて、食事面のコストパフォーマンスを考えると、大阪はかなり住みやすいと言える。
だがそれは、見方を変えると日本が21世紀になってから経済成長をほとんどしていない点が浮き彫りになってくる。
それでもランキングを落としているのが不思議でならない。
相対的に他の都市が住みやすくなっているのだろうか?
海外に行った事がある人は感じると思うが、日本の物価は安い。
安価に質の良い食事を楽しめる。
また、十数年前から何度も海外に行った事がある人は海外の物価がどんどん上昇しているのを感じると思う。
だが、日本はそれほど物価が上昇していないのだ。
物価が高くなっているのは間違いないが、日本のインフレ率は世界のインフレ率と比較したら穏やかである。
インフレ率の差に加えて昨今の円安により、日本人が海外旅行に行くのは苦しくなる一方で、海外の人が日本を訪れたくなっている。
旅行格差だ!
長く続いた不景気の中で日本の食費はそれほど変わっていなかった。
21世紀になってから大学生の初任給含め、日本の給与水準はそれほど変わっていないのも問題点として挙げられるが、食費が変わらないので生活しやすい水準が維持できているだけかもしれない。
こうした点は見方を変えると、日本は経済成長により資産価値を向上させられる場所とはないと判断できる。
そして、日本には日本円リスクがある。
多額の日本国債を発行している日本、将来的に更に日本円の価値が減少していき、今以上のインフレが起こる可能性は否定できない。
事実、コロナ禍終盤から円安と物価高騰に日本はやられている。
世界的なインフレ率と比較すれば日本のインフレ率はまだまだ低いが、それこそが日本の経済力の無さを物語っているのと言えるし、世界は繋がっているので、今後は世界的なインフレ率に巻き込まれる可能性はある。
円安やインフレに対するヘッジをしていかなければならない。
日本国債は銀行や生命保険が半強制的に購入されているので、そうした機関を利用して資産を増やすことは難しいのである。
銀行にしても生命保険会社にしても、お金を預けていたところで資産価値を向上させてはくれないのだ。
また、税収は増えていない一方で人口減少・少子高齢化が進んでおり、現役世代や将来世代が少ない日本の経済力アップ、税収アップは考え辛く、将来的な増税が考えられる。
また、人口減少少子高齢化による社会保障費確保の為に、年金や健康保険額のアップも考えられる。
資産が足りなければ、更なる日本国債の大量発行や極端なケースでは預金封鎖により財産税・貯蓄税の徴収が起こるのではないかと考えている人もいる。
仮に景気が良くなる(インフレが起こる)としても、それ以上に日本円リスクにより税金や社会保障費によって家計が圧迫されたとしたら、生活は苦しくなる悪いインフレが起こると予想できるのが今の日本の状況だ。
成熟した国である日本は住みやすいのだが、成熟しきっていて、人口動態的を見れば人口オーナス期に入っているので、これ以上の成長は期待できない。
今日本に住むのは快適であるが、既に日本は資産を置いておくには適していない場所になっている。
日本で快適に過ごしながら、資産保全や資産価値向上の為に海外に移すという戦略を取る必要があるだろう。
所謂、5フラッグ理論である。
①国籍(パスポート)のある国
②住所(居住権・永住権・市民権)のある国
③ビジネスを行う国
④資産運用を行う国
⑤余暇を過ごす国
①国籍を変えることは簡単ではない。
②③仕事があれば住所を変えるのも簡単ではない。
④資産運用を行う国を考える必要があるだろう。
日本円リスクがある国で日本円を貯め込んでいても意味がない。
日本にいながら契約できる利回り6~7%で複利運用される米ドル建ての保険商品が海外にはある。
そうした商品を活用すれば、資産を海外に移転させつつ資産価値を高めていく事ができる。
契約者や被保険者を何度も変更可能なので、資産承継も行えるようになっている。
資産運用をする場所=お金の居場所を考えれば、日本ではなく海外であり、米ドル資産を持つようにした方が良いはずだ。
④が整えば、⑤の余暇を過ごす場所は心のゆとりを持って決める事が出来ると思う。
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