物価高騰・インフレーションが進んでいる日本。
だが、景気が良いとは思えない。
コストプッシュ・インフレが進行中の日本はスタグフレーションでもある!?
学生時代に景気が良くなると物価が高くなると学んだ。
しかし、今の日本は景気が良いとは思えない。
また、良いインフレと悪いインフレがあると言う人もいる。
これはどういう事だろうか?
景気が良くなると財布に余裕が生まれ、人々の購買意欲が高まる。
そうすると需要が高まるので、値段を高くしても購入する人が増えるので物価が上昇していく。
こうした物価上昇はディマンドプル・インフレと呼ばれている。
景気上昇と共に物価が上がるので良いインフレと言える。
だが、景気や需要とは関係なく物価が上がってしまうケースがある。
それは供給コストが上がってしまう時である。
原材料費や人件費が高騰すれば提供価格も上げなくてはならない。
購入サイドは値上げに対処できずに困ってしまい、経済を苦しめる。
こうした物価上昇はコストプッシュ・インフレと呼ばれている。
消費者を苦しめ、企業の利益も圧迫するので悪いインフレと言える。
このように良いインフレと悪いインフレがある。
不景気・不況の状態で物価上昇はスタグフレーションと呼ばれているが、コストプッシュ・インフレがスタグフレーションを引き起こすケースが多い。
今の日本の状況は原材料費の輸入コスト上昇で物価が上がっており、コストプッシュ・インフレと言えるだろう。
物価が高騰しようと給与水準は上がらずに景気が良いとも感じないので、スタグフレーションに陥っているはずだ。
日経平均株価が上昇しようと、浮かれている場合ではない。
世界的にインフレーションが起こっているが、どこの国も日本と同じようにスタグフレーションになっているかと言われればそんな事はない。
アメリカなどは物価上昇と比例するように給与水準も上がっている。
日本の場合は物価だけ上昇して給与水準が上がらないので購買意欲がついていかない。
給与水準が上がらないばかりか、増税や社会保障費の負担増で国民負担率は上がり可処分所得が減っているのも問題だ。
島国日本は自給率も低く、多くの物を海外から輸入せざるを得ないので海外で起こっている良いインフレが日本では悪いインフレとなってしまう。
こうして日本と海外の隔離がどんどん大きくなっていき、経済格差が広がっていく事だろう。
人口減少・少子高齢化の進行により日本単体で考えても内需が縮小すると予想できるが、それに加えて世界的なインフレの波に飲み込まれていく事を考えると、日本の将来は危ない。
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