21世紀になって何年か経過した頃から、日本では「ワーキングプア(Working Poor)」という言葉を聞くようになった。
ところが最近は、「プアジャパン(Poor Japan)」「プアジャパニーズ(Poor Japanese)」という言葉を聞くようになっている。
一部の層の問題だったのが全体に波及していった感じだろうか?
全体的に貧困化が進んでいる日本!
ワーキングプアとは、正社員やフルタイムで働いていながら、収入が生活保護の水準以下しかない労働者の事であり、「働く貧困層」と言われていたりする。
時給換算すると1,000円にも満たないケースも多く、ブラック企業という言葉も同時に一般化された。
また、日本の平均給与水準は20世紀末から変わっていないのも社会問題と言えるだろう。
日本の場合、給与水準が変わっていないだけでなく、増税や社会保障費の負担増により可処分所得が減っていて、自由に使えるお金が少なくなっている。
それだけでなく、2022年になってからはインフレ(物価高)も進んでいて、苦しい生活になってしまっている人が多いのが日本の状況だ。
一部の労働者だけでなく全体的に苦しい生活を強いられる日本人が増えていき、プアジャパン、プアジャパニーズという言葉が生まれたのだろう。
海外に目を向けてみるとどうかと言えば、昨今のインフレは日本だけでなく世界的に起こっている問題である。
日本のインフレ率は世界と比較すれば緩やかで、円安の影響も含めて、アメリカでランチを食べるには3,000円程度必要だと言われている。
それでも、アメリカの場合は給与水準も上がっているので、日本ほど家庭生活に悪影響を及ぼしてはいないようだ。
そうした比較もあって、給与水準は上がらない一方で可処分所得だけが減っていき、追い打ちを掛けるかのようにやってきた物価高によって生活が苦しくなっている日本や日本人の事をプアジャパン・プアジャパニーズと呼ぶようになっている。
とは言え、日本には温泉があったり美味しいものが食べれたりと観光に訪れたがる外国人はとても多い。
アニメや漫画の影響もあり、日本の文化に触れたい海外の人はたくさんいる。
そこに円安が加わり、国境が完全に開いた時には多くの外国人が日本に訪れる事だろう。
インバウンドは盛り上がると思うし、ビジネスチャンスと言える。
だが、多くの外国人が訪れるそうしたニュースを見て、日本の景気が戻ったと勘違いをしてはならない。
日本には人口減少・少子高齢化と言うどうにもこうにも解決できない課題がある。
人口減少・少子高齢化により、日本全体の景気を引っ張り上げる力としては足りないだろう。
いくらインバウンドが盛り上がったとしても、その力だけで年金や医療費などの社会保障の問題が解決できる訳ではない。
今後、増税や社会保障費の負担は増加していくだろう。
給与水準が多少上がるかもしれないが、30年に亘り給与水準を維持してきて、いきなり右肩上がりに上昇させる事は考え難い。
労働者と同様に、会社側にも社会保障費の負担は重く圧し掛かってくる事も知っておかなくてはならない。
日本全体が貧困化しているのだが、今後もこの傾向は変わらないだろう。
そして、日本経済や日本円が今後強くなるとは思えない。
もし今、日本円を余裕資金として持っているのであれば、力のない国の通貨を所持しているだけで資産価値は目減りしていくばかりとなってしまう。
海外への資産逃避・資産移転を行い、資産保全や資産価値向上をさせる事を考えるべきではなかろうか?
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