日本の国債発行額(普通国債残高)は1,000兆円を超えている。
こんなニュースが出ると、国民1人当たりの借金額は・・・と言ったネタとなり、それに反論するようにそれは国民の借金ではなく国の借金だという話と共にMMT(Modern Monetary Theory)=現代貨幣理論の話が出てくる。
MMT理論とは自国通貨を発行できる政府・中央銀行は、自国通貨建てで国債を発行している限り、財政赤字を拡大してもデフォルト(債務不履行)することはないという理論である。
国債が国民ではなく国の借金である事は理解できるが、MMT理論は当てはまるのかな?と疑問に思う。
自国だけの話であればMMTは成り立つと思うが、海外も関わってくるとアンコントロールなのでは?
コロナ禍終盤以降、日本は円安とインフレ・物価高に襲われている。
その要因は海外にあると言えるだろう。
自国通貨を発行できる政府・中央銀行は、自国通貨建てで国債を発行している限り、財政赤字を拡大してもデフォルト(債務不履行)することはないと言われても、海外との繋がりがある限りはインフレは回避できないのでは?と思えてしまう。
政府は度々為替介入を行うが、限度があるように毎度感じる。
ハイパーインフレとデフォルトの閾値がどこにあるかは難しいところだが、デフォルトは避けられてもインフレは回避できないではなかろうか?
ハイパーインフレがデフォルトを誘引すると思うが、それこそどこに境目があるか分からない。
インフレがどこまで進んだらハイパーインフレと定義されるのだろうか?
日本は資源が乏しい国なので輸入に頼らざるを得ない。
それ故に円を売らなければならないケースが増えるが、その度に為替介入などしていくのだろうか?
2021年7月に故安倍晋三元首相がとある講演会でMMT理論に関する話をしていた。
故安倍晋三元首相曰く、MMT理論の副作用としてインフレ進行と日本円の暴落が有り得ると話をしている。
当時はその副作用が出ていなかったが、その傾向が出始めている。
インフレ進行など、一部は現実化してしまっていると考えられなくもない。
実は、故安倍晋三元首相のようにMMT理論について話をする政治家は少なくない。
野党であれば自由にMMT理論の議論を持ち出せるが、政府与党、特に現職で内閣に関わっているとMMT理論を避ける傾向にあると感じる。
理論的には成り立つかもしれないが、実際には成り立たないと政府与党の中に入ると気付いてしまうのではないだろうか?
MMT理論が成り立つのであれば、増税などする必要はないはずだし、そもそも国民から徴税せずにお金を刷って対処できるはずだ。
更に言えば、ベーシックインカムも導入できるので、日本は豊かな国になれるはずだ。
理論としては語れても政策として実行できないのは、その副作用が大きすぎるからだ。
副作用があるのにMMT理論が成り立つというのは、そもそも理論として成り立っていないように感じるが、故安倍晋三元首相が語っていた副作用が顕在化している。
この副作用は今後どんどん大きくなっていくと感じる。
つまりは日本円の力は落ちていくと思うので、日本に余裕資金がある人は早め早めに海外に資産移転して資産保全を図った方が良いだろう。
日本にいながら契約できる海外ドル建ての保険商品がある。
日本にいながら海外に資産移転できるだけでなく7%程度の利回りで運用されるので、資産が保全されるだけでなく、資産価値が上がっていくので利用しない手はない。

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2024年、MMT理論を語る人がいなくなった!?
このコンテンツを最初に書いたのは2022年の秋である。
2024年になって状況はどのように変化しているのだろうか?
2022年は年初から円安が進んでいき、10月に1ドル152円を付けた頃に為替介入により一旦は円安に歯止めがかかった。
その後は1ドル127円台まで円高に進んだが、その後は再び円安が進み、何度かのトライで152円の壁を越えた。
MMT理論で、自国通貨を発行できる政府は・・・とあるが、自国通貨を発行しまくったらその価値は落ちてしまう。
もちろん、日本円の発行額によってだけで為替が決まる訳ではなく金利など多くの要因が決定要因となるのだが、自国のコントロールだけで為替を支配できるものではない。
為替介入が一時凌ぎの政策である事は多くの日本人が知ってしまった事だろう。
また、金利差だけを追っている人がいるが、もちろん金利だけで為替が決まる訳でもない。
そして、物価高騰に苦しむ人が増えている。
これは日本だけでなく世界中で問題となっているが、これも同じくMMT理論だけで片付けられる話ではない。
日本は世界と比較すればインフレ率はまだまだ低いと言える。
インフレ率の差は日本経済の力の無さを表していると言えるが、世界は繋がっているので、日本は今後、更なるインフレーションに巻き込まれても不思議ではない。
世界は繋がっている事を強く認識しなくてはならない。
MMT理論についてもう一度みてもらいたい。
MMT理論とは自国通貨を発行できる政府・中央銀行は、自国通貨建てで国債を発行している限り、財政赤字を拡大してもデフォルト(債務不履行)することはないという理論である。
海外との繋がりが全く無視されている事が分かると思う。
日本だけで経済や社会が成り立っていれば理論として成り立っていれば、通貨と国債を上手く回していけばそれで良いが、世界が強固に繋がっている現代社会で日本国内だけで考えるのはムリがある。
有り得るとすれば、日本政府がどこまで行ってもデフォルト(債務不履行)を認めなければ、この理論はいつまで経っても成り立っていると言えるかもしれない。
だが、それはもちろん暴論である。
さすがにハイパーインフレーションにはならないと思うし、なってほしくもない。
デフォルト(債務不履行)になるかと言われれば、さすがにそこまではいかないと思うし、そう信じたい。
だが、円安やインフレはまだまだ進んでいく事だろう。
ハイパーインフレーションにならなかったり債務不履行にならないからMMT理論が成り立っているとは言えない状況である。
事実、円安や物価高騰・インフレが進めば進むほどMMT理論を語る人が少なくなっている気がする。
政府としても表向きには円安やインフレの対策を考えていると発言するが、眉唾物である。
政府としては円安やインフレが進む事を喜んでいる可能性が高い。
円高になれば輸出に有利になる。
自動車産業など古くからの日本の大企業は円安にした方が有難いと考えている傾向にある。
また、インフレで物価が上がれば、その分だけ税収は増える。
消費税などはとても分かり易いだろう。
物価が上がれば上がった分だけ消費税の税収は増える。
大企業を中心に給与水準を引き上げる会社が増えているが、そうなれば所得税なども増えていく。
また、一番狙っているのは借金の実質的な減少だと思う。
政府は1000兆円を超える借金があるが、インフレによってモノの価値が上がればお金の価値は減る。
即ち、借金額も実質的に目減りしていくのだ。
報道などで国民に発表している内容に騙されてはいけない。
と考えると、まだまだ円安やインフレが進んでいく可能性は高い。
日本円リスクはどんどん高まっていくので、特に余裕資金がある人はその対策を急がなければならない。
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