SNSで平成元年と平成30年の世界時価総額ランキングを比較した表が出回っている。
平成元年は日本の企業が世界の中心にいて、平成30年になると日本の企業は軒並みランク外へと押し出され、米国中心で中国の企業がランクインしている結果となっている。
銀行の時価総額を見ても、世界の中心に日本はいない!
元ネタはこちら。⇒ 昭和という「レガシー」を引きずった平成30年間の経済停滞を振り返る
パッと見ただけで平成元年は日本の時代、平成30年は米国の時代で中国企業が力を付けてきていると分かる。
平成元年12月29日に日経平均株価は最高値を付けバブル崩壊へと進んでいったが、こうして表にされると、世界的にも日本企業は世界の中心から落とされている事が把握できる。
このブログは金融を中心に書いているので、せっかくなので表の中から銀行だけをピックアップしてみた。
(ちなみにであるが、平成30年の6位バークシャー・ハサウェイは世界的な投資家ウォーレン・バフェットがCEOを務めている投資会社である。)
平成元年 | 平成30年 | ||||||
順位 | 銀行名 | 時価総額 (億ドル) |
国名 | 順位 | 銀行名 | 時価総額 (億ドル) |
国名 |
2位 | 日本興業銀行 | 715.9 | 日本 | 9位 | JPモルガン・チェース | 3740.0 | 米国 |
3位 | 住友銀行 | 695.9 | 日本 | 13位 | バンク・オブ・アメリカ | 3016.8 | 米国 |
4位 | 富士銀行 | 670.8 | 日本 | 15位 | 中国工商銀行 | 2870,7 | 中国 |
5位 | 第一勧業銀行 | 660.9 | 日本 | 17位 | ウェルズ・ファーゴ | 2735.4 | 米国 |
7位 | 三菱銀行 | 592.7 | 日本 | 19位 | 中国建設銀行 | 2502.8 | 中国 |
13位 | 三和銀行 | 492.9 | 日本 | 40位 | HSBC・ホールディングス | 1873.8 | 英国 |
22位 | 日本長期信用銀行 | 308.5 | 日本 | 43位 | シティグループ | 1742.0 | 米国 |
23位 | 東海銀行 | 305.4 | 日本 | 45位 | 中国農業銀行 | 1693.0 | 中国 |
24位 | 三井銀行 | 296.9 | 日本 | ||||
30位 | 三菱信託銀行 | 246.7 | 日本 | ||||
36位 | 東京銀行 | 224.6 | 日本 | ||||
38位 | 住友信託銀行 | 218.7 | 日本 |
銀行のランキングを見ても、平成元年は日本の時代、平成30年は米国・中国の時代と分かる。
そもそも日本の銀行は併合・吸収・合併などが頻繁に行われていて、今も名前を変えていない(名前を残している)銀行は少ない。
◆日本興業銀行 ⇒ みずほ銀行
◆住友銀行 ⇒ 三井住友銀行
◆冨士銀行 ⇒ みずほ銀行
◆第一勧業銀行 ⇒ みずほ銀行
◆三菱銀行 ⇒ 三菱UFJ銀行
◆三和銀行 ⇒ 三菱UFJ銀行
◆日本長期信用銀行 ⇒ 新生銀行
◆東海銀行 ⇒ 三菱UFJ銀行
◆三井銀行 ⇒ 三井住友銀行
◆三菱信託銀行 ⇒ 三菱UFJ信託銀行
◆東京銀行 ⇒ 三菱UFJ信託銀行
◆住友信託銀行 ⇒ 三井住友信託銀行
途中経過は省いているが、このように名前が変わっている。
そして、2018年8月24日現在、日本で最も時価総額が大きな銀行は三菱UFJ銀行(三菱UFJフィナンシャル・グループ)となっていて、9,286,609百万円。
1ドル110円で計算すると約844億ドルであり、ランキング45位の中国農業銀行の約半分なのである。
日本の金融は・・・とよく言われるが、これが実力なのかなと思う。
こうした事態を真剣に考え、日本から一番近いオフショアであるHSBC香港に銀行口座を開設している人は多い。
資産運用・資産防衛の面から有効な考え方だ。
見方を変えてみると、危機感を持った日本人はこのように世界に目を向けているが、世界の人たちが資産運用・資産防衛の為に日本の銀行口座を開設したいなどという話は聞いたことがない。
こうした考えからも、日本の金融・銀行が世界の中心にいない事が分かってしまう。
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