昨日、国際分散投資の話でハードカレンシーとソフト(ローカル)カレンシーの話をした。
カンボジアやフィリピンなど、東南アジアの国々の銀行口座を開設すべきでないと度々お伝えしているが、こうした国々の通貨はソフト(ローカル)カレンシーであるので、わざわざこうした国々に銀行口座を開設する意味がない。
カンボジア・フィリピンなど東南アジアの銀行は破綻リスクや出金リスクを考えたら口座開設すべきではない!
昨日のおさらいをすると、ハードカレンシーとは以下条件が整っている通貨となる。
①国際的に信用があること
②発行国が多様な財を産出していること
③国際的な銀行における取引が可能なこと
④あらゆる場所での換金が可能なこと
米ドル・ユーロ・日本円は世界三大通貨と言われるが、三大通貨を含め、主要国の通貨はハードカレンシーと言える。
ハードカレンシーとソフト(ローカル)カレンシーの明確な基準はないのだが、カンボジアの通貨リエルやフィリピンの通貨ペソはハードカレンシーの条件を満たしていない。
こうした不安定な通貨の国の銀行口座を持つ事はリスクでしかない。
①国際的に信用があることや②発行国が多様な財を産出していることはその国の安定性・信頼性を示すが、カンボジアやフィリピンはそのような立場にあるだろうか?
東南アジアで政治・経済で世界的に信頼を得ている国は少ない。
③国際的な銀行における取引が可能なことや④あらゆる場所での換金が可能なことは資金の流動性を示すが、カンボジアやフィリピンなどの銀行に入金したお金、日本や他国に移そうと思っても移せない事が実際多い。
今はマネーロンダリングの観点から国家間のマネーフライトは難しくなっているのだが、東南アジアではそれ以前の問題で海外にお金を流さないような施策になっている。
外貨は欲しいが海外への資金流出を厳しくしているのである。
米ドル建てで高金利な定期預金に釣られて口座開設をしたがる人がいるようだが、それこそが外貨が欲しいと言う意思を表示しているようなもの。
米ドル建ての高金利の定期預金が組めたはいいものの、その後、他国への出金ができずに困っている人が増えている。
また、今は米ドル建ての高金利預金が動いているかもしれないが、そもそも裏で高金利で貸付して利益を生んでいる消費者金融のようなケースが多いので、いつまで高金利や銀行が持つかは誰にも分からない。
こうしたリスクがあるソフトカレンシー・ローカルカレンシーの国の銀行口座を持つ事はお勧めできない。
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