菅義偉首相が、早期に全国平均での最低賃金が1,000円になるように目指す!と発言したことが話題となっている。
定期的に聞かれる政治家による最低賃金のアップ要求だが、政治力によって最低賃金を引き上げる事は全く持って意味のない事だと思う。
最低賃金が上がる事で暮らしが豊かになる訳ではないはずだ!
菅義偉首相は22日の経済財政諮問会議で、賃上げの勢いを中小企業にも広げ、「非正規労働者の処遇改善といった構造的課題にも答えを出すため、最低賃金をより早期に全国平均1000円とすることを目指す」と強調した。今夏にも取りまとめる骨太の方針策定時までに議論する。
最低賃金のアップ、労働者にしてみては聞こえのよう話に感じるかもしれないが、果たしてそうなのだろうか?
経営者サイドから考えてみると、そうではない現実が見えてくるはずだ。
経営側からすれば、人件費は予算として決まっている。
単純に個々の賃金が上がれば予算オーバーとなるので、考えられるのは雇用者数の削減となってくる。
「AI化によって削減される職業は?」などと言ったことがSNSでシェアされる事もあったりするが、賃金アップにもAI化にも対応して雇用されるだけの力が必要になってくるはずだ。
そうでなければ解雇される可能性もあり、逆に経営側が雇用を継続したいと思うのであれば、賃金は必然的にアップしていく事だろう。
(と書いたものの、経営者は簡単に賃金をアップするとは言い切れない。)
仮に、政治的圧力で最低賃金を無理やりにでも引き上げた時にはどのような事が起こるのだろうか?
雇用者数削減を政府や世論が良しとしないのであれば、人件費増加分だけ商品やサービス価格を上げるしかない。
そうなれば物価上昇が起こるはずで、例え賃金が上がってもその分だけ生活コストが上がるので、生活が豊かになる訳ではない。
物事は連動していて相対的に考えなければならないが、賃金アップの流れ云々ではなく、人と比較して戦えるスキルや労働力を持つ事の方が重要となるはずだ。
こうした話、資産運用にも通ずるところがある。
日本で生活して日本で資産運用をしようとしても、同じ日本と言う土台で投資を行う限り、同じリスクリターンを被る事になる。
(最近は景気と日経平均株価が全く連動していないのだが、)一般的に景気が良ければ給料も投資利回りも向上し、景気が悪ければ給料も投資利回りも悪化する。
これではリスク分散がされておらずに意味がない。
「卵は一つの籠に盛るな」という格言があるが、日本で給料をもらって資産運用も日本で行うのは、日本という一つの籠に資産を盛っているのでリスク分散とならない。
そもそも、超低金利の日本国債の影響を受けて、日本国内でまともに利回りが出るような金融商品や保険商品がある訳でもないので、日本国内で資産運用を行う意味はないはずだ。
最低賃金が引き上げられて物価上昇したのにも関わらず、その上昇割合よりも低い運用利回りであれば、資産価値は減少していく事になる。
見方を変えると、超低金利で今のところ物価もそれほど変動していない日本に住んでいて、日本で稼いだお金を海外の金融商品・保険商品に加入できる事には大きなメリットがある。
海外では安定的に3~4%程度で複利運用されている金融商品がある。
そうした金融商品を活用していくと、先々大きな差になっていく事は72の法則から明らかである。
こうした金融格差を上手く使っていければ、将来資金が上手く構築できるはずだ。
(2022年の世界的な金利上昇により、利回り6~7%へと向上している!)
賃金にしても資産運用にしても、国の流れにただ乗っかているだけだと暮らしは豊かにならない。
日本に住みながら、労働にしても資産運用にしてもどう差別化して自分自身で勝ち取っていくか、稼ぐ力・お金を得る力を考える事がとても重要だと感じる。
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