海外オフショアの保険商品は右肩上がりに資産価値が向上していくというイメージがある。
大枠で見れば間違いない話であるが、契約直後の解約返戻金=時価総額は支払った保険金額よりも小さくなる。
保険と言う商品の特性上、仕方がない話なのだが、契約直後の解約返戻金の低さは見方を変えると活用価値があるのだ。
一般的に保険商品の契約直後の時価総額は小さいが、海外オフショアにはその特徴を活かせるスキームがある!
海外オフショアの保険商品の利回りはスゴい!と耳にしたことがあるかもしれないが、実際に年利4%程度で運用される商品がある。
複利運用となるので、72の法則に従えば18年で資産が2倍になる計算だ。
(2022年の世界的な金利上昇により、利回り6~7%へと向上している!
利回り6%で計算すると、12年で資産が2倍、24年で4倍、36年で8倍になるイメージだ。)
だが、実際には綺麗な右肩上がりで資産価値が増えていくのではなく、契約当初の時価総額(解約返戻金)は小さくなっている。
過去に作成した図を引っ張ってきているので生命保険となっているが、生命保険に限らず、海外の保険商品の契約当初の解約返戻金(時価総額)は支払い保険料よりも低く設定されている。
商品によりけりだが、契約後10年前後で支払い保険料を解約返戻金が超えていくはずだ。
日本の保険商品では生命保険の解約返戻金は満期近くにならないと支払保険料を超える事はないのがほとんどであり、貯蓄性の保険商品を選んだところで雀の涙ほどの利回りしかない商品がほとんどだ。
日本の保険商品と海外の保険商品の格差はとても大きい。
日本の保険商品に対して、「保障と貯蓄は別のもの」と解説する保険外交員やFPがいるが、日本の保険商品は貯蓄性だけを見ても実質的に力がある商品は見当たらない。
その一方で海外の保険商品は力があるので、資産価値が上昇していくのだ。
海外の貯蓄型の生命保険を契約すれば、保障も貯蓄も両立できる。
「保障と貯蓄は別のもの」というのはあくまで日本国内の話であり、海外では両立できるのだ。
海外の保険商品の貯蓄性は高いとはいえ、契約後数年の解約返戻金は小さい。
だが、解約返金例が小さいという事は時価総額が小さいという事で、違う角度から見れば資産価値が圧縮されているという事であり、このタイミングで使えるスキームが幾つかある。
一つ一つ解説してみたい。
先ず一つ目は法人の損金算入である。
法人から個人へ名義を変更する事により、支払った保険料と解約返戻金の差分を損金に算入するスキームである。
かつては日本でも損金算入が可能な法人向け保険商品が乱売されていた。
だが、本質的に保険ではなく単なる節税スキームを目的にしていたこうした保険商品に国税庁が目を付けてしまい、今では日本国内で節税目的の保険商品は販売し辛い環境となっている。
海外の保険会社が日本の節税対策として保険商品を販売している訳ではないが、結果的に日本法人が節税できる保険商品が上市されているのである。
2つ目は法人の相続対策である。
一つ目は損金算入の為に資産圧縮された状態を活用するスキームであったが、2つ目は法人を相続する際の話。
法人を相続する直前にこうした保険商品を契約しておいて、資産価値が圧縮されている状態で法人の名義を変更すれば相続税額を抑える事ができるのだ。
三つ目は相続税対策。
時価総額が圧縮されているタイミングで子供や孫に譲渡(生前贈与)する事で、相続税を抑える事が可能となる。
海外の保険商品は何度も契約者や保険者を変更できるスキームがあり、証券を分割できるプランも存在する。
そうしたプランを活用すると親から子、子から孫へと資産を承継していけるのだ。
お子さんやお孫さんの人数に合わせて証券を分割する事により、相続が争族となる事を防げるメリットもある。
四つ目は変化球的な話。
海外に5000万円以上の資産がある方は国外財産調書の提出が求められる。
海外資産の割合で現金が多ければ、こうした保険商品を活用する事で資産価値を圧縮でき、国外財産調書の提出を延命する事ができる。
日本の保険商品でも時価総額の圧縮はできるが、如何せんその後に資産価値が向上していく訳ではない。
海外オフショアの保険商品は価値圧縮後、運用によって資産価値が向上していくのでうま味がある。
日本の保険商品は節税だけで使われる事が多いが、海外オフショアの保険商品の場合は節税+資産価値向上の両方のメリットがあるのが特徴と言える。
海外の保険商品という特性を活かすと、資産移転・資産保全ができる強みも生まれるのだ。
日本円の力が落ちているからこそ、資産をどこに置いて、どのように活用するかを深く考えなくてはならない時代となっている。
⇒ ご質問やご相談はこちらから。
海外の保険商品はIFAと呼ばれる正規代理店が契約からアフターサポートまでを担当する!
今回ご紹介した話は、海外の保険商品を使ったスキームである。
具体的には、法人向けの商品であればFubon Life Insurance (Hong Kong) Company Limitedが提供するProsperity Booster Whole Life Plan 5などがある。
個人向けであれば、Sun Life Hong Kong社が提供するSunJoy Globalなどがある。
個々の予算や状況、考え方によって契約すべき商品は異なってくるし、スキームも違ってくる。
自分自身がどのような商品をどのようなスキームで契約するかは、正規代理店と相談しながら決めるしかない。
海外オフショア籍の保険会社が提供する保険商品は日本の税制に合わせて組成されている訳ではない。
その為、こうしたスキームを活用したいのであれば、海外オフショアの保険商品に詳しいだけでなく、日本の税制にも詳しい正規代理店を選定しないと契約は難しいはずだ。
海外の保険会社は直接クライアントを受け入れてはおらず、IFA(Independent Financial Advisor)と呼ばれる正規代理店が契約からアフターサポートまでを請け負う事になっている。
海外の保険会社なので日本国内には正規代理店が契約はなく、海外にあるIFAに連絡をするしかない。
海外IFAと言えど、日本人スタッフがいるIFAもあるので、そうしたIFAを選んでおけば言葉の壁はクリアできる。
そうしたIFAの中で、先ほど説明したように金融や商品の情報はもちろんの事、日本の税制にも詳しいIFAを選んでおけば、納得できる商品に出会え、満足するスキームを提案してもらえる事だろう。
当然ながら、アフターサポートもしっかりとしているIFAを選択しなくてはならない。
ポイントは、日本人スタッフがいて日本人の受け入れやサポート実績が豊富なIFAを選ぶ事が重要となってくるはずだ。
なので、先ずはそうしたIFAを探し出し、直接連絡して直接相談してみてもらえればと思う。
⇒ ご質問やご相談、IFA=正規代理店の選定でお悩みの方はこちらから。
コメント